Discovery Institute News
カンザス州理科教育基準の支持キャンペーン
By: John Hanna
Associated Press
July 8, 2006
カンザス州トピーカ発――反進化論グループが、金曜日、カンザス州の理科教育基準を支持するインターネットによるキャンペーンを開始した。この基準が存続するか否かを決める投票まで、あと一ヶ月を切っている。
シアトルに拠点をおくディスカヴァリー・インスティテュート「科学文化センター」の広報係は、これは多くの科学者や国内科学者グループからの、この基準への批判に対抗するものだと言っている。
センターのJohn West副所長は、国内の報道関係者に対し電話で、このような批判の結果
、この新基準の「著しく歪んだ」像が生まれていると語った。
この教育基準は、昨年、州教育委員会の保守的な多数派によって採択されたものだが、ここにはインテリジェント・デザインや他の進化論の代替理論のことは言われていない。しかし、それは進化論を欠陥のある理論として扱い、主流となっている科学の見解を否定するものである。批判側は、この基準の一部は、とうの昔に退けられた進化についての議論に基づいていると主張している。
センターは候補者を支持するものでもなく、今度の選挙の5つの州委員の議席をめぐる競争には全くかかわるつもりはないと、ウエスト氏は言う。そうではなく、これは「科学のために立ち上がれ」というキャンペーンであり、カンザス州住民を教育するためのもので、そのために署名できる請願書を含む新しいウエブサイトを設け、ラジオによる広告なども考えていると言う。
しかし、反進化論教育基準に反対するカンザス科学市民会のJack
Krebs会長は、このキャンペーンのタイミングは決して偶然の一致ではないと言う。
昨年8月1日の最初の選挙では、5議席のうち4議席を、新しい基準を支持する保守的な共和党員が占めた。もし今度2人の保守派が敗れると、委員会の過半数が穏健的旧来派に移ることになる。
「ID運動の側は全体として、もし過半数を保持できれば勝利になるが、これを失うとID運動にとっては、もう一つの大敗北になることが分かっているのです」とクレブスは言う。
この基準は昨11月に発効したもので、学校がどれほどうまく教えているかを見るために、学生の受けるテストに用いられるだろう。しかし実際にどう教えるかについての決定は、299の地方の教育委員会に委ねられる。教育者の中には、進化論についてはあまり教えないように、創造論やインテリジェント・デザインについてもっと教えるように、というプレッシャーが大きくなることを怖れる声もある。ID理論とは、この宇宙の構造はあまりにも見事に秩序立てられ、かつ複雑なので、知的原因による説明が最も説得力を持つという理論である。
ウエストや他の支持者は、新しい教育基準が、教室でのより自由な議論を刺激することになると主張する。
「当然ながら私たちはIDを支持します。しかし私たちの基本方針は『よい科学教育をせよ』ということです」とウエストは記者団に語った。
批判者側はIDのことを装いを新たにした創造論と見る。合衆国最高裁判所は、創造論(creationism)は特定の宗教的見方を支持することになるので、公立学校で教えてはならないという決定を下した。
ウエストの説明によれば、カンザス州の新基準は、進化論の強みと弱みの両方に学生の目を向けさせるよう、学校に要請するものである。彼はセンターがどれくらいの金額をこのキャンペーンに当てているのかを言うのは拒否したが、それはこの一年が「誤った情報の年」であったがゆえに必要なことだと強調した。
一方クレブスは、学生の目を進化論の問題とされるものに向けさせるのは、彼らがIDを受け入れるように誘導するための、仕組まれた策略の一つだと言う。
新しい基準には、すべての生命は共通
の起源を持つという進化論は、近年、化石の証拠や分子生物学によって挑戦を受けていると書かれている。それはまた、一つの種が時間をかけて変わることによって新しい種が生まれるという説は、議論の余地あるものになっている、と述べている。
こういった文言は、カンザス州の旧来の理科基準にはなかったもので、それは進化論を、十分に確立された、科学者たちによって普遍的に受け入れられたものとして扱っていた。
クレブスによれば、旧来の基準は、教室で進化論批判について触れることを禁じてはいないという。しかし、そのような文言を基準に付け加えるのは、科学の信用性を更に高めるだけだと語った。
「彼らは観念の売り込み市場(marketplace
of ideas)で仕事をするよりも、政府の広告ビラ(government
handout)が欲しいのだよ」と、クレブスは新基準を支持するID提唱者たちについて言った。
センターの新しいサイトは、http://www.standupforscience.com/
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