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ダーウィニストは何をそんなに恐れるのか

By: Jonathan Witt
World Net Daily
July 27, 2006

私は90年代にカンザス大学のドクターコースにいたが、そこには様々な考えをもつ教授たちがいて、怠惰な考え方ではやっていけないと感じたものだ。もしある教授が、共産主義がソ連で惨めに失敗した後も共産主義の美点を説教しようとするなら、それは自由であった。しかし学生たちもまた、その立場を厳しく批判する他の教授の講義を聴くのは自由であった。

反対に、資本主義と民主主義が人間の進歩のための偉大な装置であると信じている学生は、その考え方に対立する最上の議論と取り組まねばならなかった。そして結局それが、自分の立場を擁護するために役立った。

そのような自由な考え方の競争市場が存在することが、健全な教育に不可欠であり、現在、カンザス州の理科教育基準が推進しようとしているのはまさにそれである。これらの教育基準は、他の州で採用され、合衆国の有権者が3対1の割合で支持している方針と全く同じく、インテリジェント・デザインを教えることを要求するものではない。それはただ、現代の進化論を、その有利な証拠も不利な証拠も共に教えることによって、学生にこれを批判分析する能力をつけさせるように、学校に要望するものである。

この基準は学生にとってもよく、科学にとってもよいものである。

ところが、この批判分析的な基準を覆すことによって、競争の場からダーウィニズムを護衛しようとする人々がいる。私はそれによって、学生はかえって「彼らが我々の目に触れないようにしている証拠とは何だ」と考えるようになると思う。

この新しい基準のもとでその答えは出るだろう。まず手始めに言えば、多くの高校生用「生物」の教科書は、ヘッケルの19世紀の胚の絵、4枚羽のショウジョウバエ、木の幹に隠れたオオシモフリエダシャク、ガラパゴスフィンチの進化するくちばし、といったものをダーウィン進化の決定的な証拠として掲載している。教科書が決して言わないのは、これらの進化の聖画像が、キリスト教ファンダメンタリストだけでなく、主流の進化論者の信用をも失くしているという事実である。

今我々に分かっているのは、1)ヘッケルが胚の絵を偽造したこと、2)体に変異を起こしたショウジョウバエは常に機能不全になること、3)シモフリ蛾は木の幹には止まらないこと(写 真はヤラセだということ)、4)フィンチのくちばしは雨が戻れば通 常サイズの戻ること(本当の進化は起こらない)、などである。多くの種の場合と同じく、平均のサイズは一定の範囲内で変動するのである。

これはいわゆる小進化、すなわち昔から観察されてきた種内変化である。大進化とは根本的に新しい体の構造や器官が現れることをいう。生物の教科書は、ガラパゴスフィンチのような小進化の例を、生物学者が、哺乳類や鳥の翼やコウモリのような根本的に新しい形態に至る、連続的に機能する細かい過程を観察したこともなく、理論的な言葉で記述したことさえないという事実を、ごまかすために用いているのである。これは重要なことだ。なぜなら現代のダーウィニズムは、すべての生命は一つの共通 先祖から、一連の、わずかな、有用な遺伝子の変化によって進化してきたと主張しているからである。

教科書はまた、生物グループ間に欠けていた「鎖の輪」が発見されたなどと大げさに書く。教科書が言わないのは、ダーウィン進化論が要求するのは、一どきに少しずつ進化する、ほとんど無限数の鎖の輪だということである。確かに化石記録は完全ではない。しかし主流の進化論者でさえ疑問とするのは、なぜ証拠が最も肝心となるところに限って化石が不完全なのか、ということだ。

新しい理科基準に反対する人々は、カンザスの高校生たちがそういった疑問に取り組んでほしくないのであろう。彼らの主張するのは、ダーウィニズムは「圧倒的な証拠」によって支持されているのだから、そんな問題で頭を悩ますことはないということである。しかし、もし証拠が圧倒的であるなら、なぜこの理論を、事情を説明して批判的に分析することから護ろうとするのか? なぜ、現行の新しい基準を曲げて宣伝し、証拠にならない証拠で固めたダーウィニズムの基礎資料を、学生たちにスプーンで食べさせるようなことをするのか?

本当に自信のあるダーウィニストなら、学生に対して堂々とこうに言うべきであろう――「諸君、現代のダーウィニズムにはこういった重要な未解決の問題があることを知ってほしい。君たちには、いつの日か、その解決を発見する科学者の一人になってもらいたいのだ。」

こそこそする者はペテン師と言われても仕方あるまい。

(ジョナサン・ウィットはカンザス大学から英文学の博士号を取得、現在、シアトルに本拠を置くディスカヴァリー・インスティテュートの上級研究員、『意味のある世界――芸術と科学はいかに自然の霊をあらわにするか』(A Meaningful World: How the Arts and Sciences Reveal the Genius of Nature, IVP, 2006) の共著者)

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