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なぜダーウィニズムは滅びなければならないか

Jonathan Wells, Ph.D.
Worldnetdaily.com
September 27, 2006

ハーバードの進化生物学者Stephen Jay Gouldは、1977年に「生物学は、神の姿に造られた傑作としての我々の地位 を取り去った」と述べた。ダーウィニズムは、我々人間は、神を必要としなかった無目的な自然選択の過程の、偶然的副産物であると教える。そしてこの反宗教的ドグマは、アメリカの公立学校や大学において、税金によって維持される独占権を享受している。これに敢えて公然と疑問を呈した教師たちは、その多くが職を失ってきた。

ここでの論点は「進化」ではない。進化という言葉は、存在している種内で単に変化があるという広義の意味ならば、これを疑う者は誰もいない。論点は、すべての生物が共通 の先祖に由来するものであり、ランダムに起きる遺伝的突然変異に自然選択が働いて変化したものなのだ、と主張するダーウィニズムである。

ダーウィニストにしたがえば、彼らの見方には、それが事実であると考えられるような圧倒的な証拠がある。だが、ダーウィニストにとって困ったことに、アメリカ国民――史上最も科学の進んだ国家の市民である――の少なくとも4分の3は、これを拒絶している。

ダーウィン派の科学雑誌「サイエンス」の8月11日号に発表された研究は、世論調査がダーウィニズムを拒絶しているアメリカ人の半数が聖書根本主義者ではないということを一貫して示しているにもかかわらず、これを主として聖書根本主義に帰している。アメリカ国民がダーウィニズムに懐疑的なのは、ダーウィニストが考えるよりも彼らが賢いからではないだろうか?

ダーウィン派の科学雑誌「ネイチャー」の8月17日号は、科学者が「脳進化遺伝子(brain evolution gene)」をまさに発見したところだと報告した。この遺伝子が胎児の脳の発達に関与しているらしい状況証拠があり、それは驚くほどヒトとチンパンジーでは違うという。「ネイチャー」によれば、そのためこの遺伝子は「何がヒトと最も近縁の霊長類との差を生じさせるのかという秘密」の隠れ場所である。 

この報告に関して、以下の3点が明らかである。第一にこの報告は、ダーウィニズムに対する証拠は、決してその擁護者が主張するような圧倒的なものではないことを、暗に認めている。生物学が人間性を説明するとグールドが述べてからほぼ30年になるが、ダーウィニストは今も、脳の進化に関わっていたかもしれない遺伝子を探し出そうとしているのである。

第二に、発生生物学者は、単一の遺伝子がヒトの脳の起源を説明することはできないことを知っている。胚の成長に関与している複数の遺伝子は、多様に作用するものの典型であり、脳のような複雑な器官は多くの遺伝子の影響を受けている。「脳進化遺伝子」という物語の単純素朴さは、あきれてものが言えないほどである。

第三に、このケースで科学者が示したのは、ただ遺伝子の差と脳の大きさの間に相関があったということだけである。しかし、相関性と因果 関係が同じではないことは、あらゆる科学者が知っている。小学校の児童の間では、読書能力は靴のサイズに相関するが、これは小さな足をもつ幼い児童がまだ読む学習をしていないからで、より大きな足をもつことがより優れた読書能力の原因になるわけではないし、読書が足を大きくさせるわけでもない。同様に、ヒトとチンパンジーの間の遺伝的違いは、その遺伝子が実際に何をしている(どのように働く)のかを私たちが知るまでは、彼我の脳の違いの原因について何も教えてくれないのである。このケースでは、「ネイチャー」が報告したように、「この遺伝子が何をしているのかは謎である」。

そのように、ダーウィンから150年たった今も、ダーウィニストたちは自分たちの推論を正当化するために、なおも証拠――どんなに貧弱な証拠でもよい――を探しているのである。「脳進化遺伝子」というこの最新の誇大宣伝は、図らずも彼らの理論の証拠が、実際はいかに圧倒的に乏しいかを明らかにしている。

真実は、ダーウィニズムは科学理論ではなく、科学の仮面 を被った唯物論的創造神話なのである。それは何よりもまず、宗教――特に伝統的キリスト教――に対する武器である。証拠は取り繕うために後から持ち込まれる。

このことはアメリカ国民にますます明らかになりつつある。彼らはダーウィニストがそのように思わせたがるような、無知で遅れた宗教的ドグマティストではない。ダーウィニストはアメリカの納税者の知性を侮辱し、同時にその支持に依存している。これは本来的に不安定な立場であり、長くは続かないものである。
もし私がダーウィニストならこれは怖い。ひじょうに怖い。

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