Discovery Institute News

教会はダーウィニストの策略に乗るな

By: Jonathan Wells
Yale Daily News
January 29, 2007

最近のコラム記事(「たちの悪い進化の日曜日」1/24)でJonathan Dudleyが指摘したように、全米の数百のキリスト教会が2月11日にダーウィン記念祝賀行事を計画している。

なぜ彼らはそういうことをするのか。少しばかり背景的情報をここに提供しておきたい。

進化という言葉は多くの意味に使われる。広い意味では、それは時間を経ての変化ということで、常識ある者ならだれもこれを疑う者はいない。聖書的な解釈では、それは24×6時間でなく、長い時間をかけて神が世界を創ったという意味になりうる。生物学的には、我々の目の前で起こるのを観察できる、存在する種(しゅ)の内部での小さな変化という意味にもなりうる。

しかしダーウィン進化論はもっと大胆な主張する。すなわち、すべての生物は共通 の祖先からの子孫であり、現在見られる生物の違いは、ランダムな変異とか最適者生存といった、導かれない(偶然的な)自然の過程の産物だというのである。これは進化論一般 がそうだというのでなく、「進化の日曜日」が祝おうとしているダーウィン特有の進化論(ダーウィニズム)の主張である。だからこそ、これがダーウィンの誕生日に合わせて計画されているのである。

この記念行事のアイデアはもともと、ウィスコンシン大学の進化生物学者Michael Zimmermanから出されたもので、それは2004年、ウィスコンシン学区が次のような教育指針を採用した後でのことであった――「学生は、仮説や理論を含む科学的な説明を、その長所と短所に関して、科学的な証拠と情報を用いて、分析・検討・批判するよう期待される。学生は、進化論の科学的長所と短所を説明することができることを求められる。この指針は、創造論やインテリジェント・デザインを教えることを要求するものではない。」

ツィンマーマンはこの指針のことを「故意に科学的無知を容認するもの」と呼んだ。

しかしこれまで実験は一貫して、変種(遺伝子変異によるものを含めて)や選択(自然・人為を問わず)は新しい種や器官や形態を生み出すことができるという仮説を支持することはなかった。そして普遍的な共通 祖先の確固たる証拠になると一時は思われたもの(化石、胚、分子の比較)も、今ではますます増大する矛盾に悩まされている。「科学的無知を容認している」のは、実は、これら都合の悪い事実を見ぬ 振りをしているダーウィニストの方である。

ツィンマーマンは、ダーウィニズムの長所と短所を分析することに反対しただけでなく、キリスト教会に訴え助けを求めたのである。なぜか?

これまで世論調査では常に、アメリカ国民の40%が神は人間を数千年前に現在の形に創ったと信じ、45%が人間は何百万年もかけて、より低い段階から発達してきたが、その過程は神の導きによると信じていることが明らかになっている。考えに違いはあるものの、この二つのグループの人々はともに、人間は神の姿にデザインされ創造されたというキリスト教の中心的教義を受け入れている。

ダーウィンはこれを否定するのである。

ダーウィン自身が、「生物の多様性や自然選択の作用にデザインがないのは、風の吹く方向にデザインがないのと同じことだ」と書いている。彼は「宇宙を盲目の偶然の結果 とみる」ことはできなかったが、「細部においては、有益なデザインの、否、いかなるデザインの証拠も認められない」と言った。そこでダーウィニストのGeorge Gaylord Simpsonなどは、「人間は、彼のことなど考えもしなかった、目的を持たぬ 自然のプロセスの結果である。人間は計画されたものではない」と断言するのである。

この考え方を受け入れるアメリカ人は15%以下である。にもかかわらずダーウィニストたちは、財政的援助をアメリカの納税者に大きく依存している。キリスト教聖職者を、「科学」とか「進化」を擁護するために味方に引き入れようとするのは、この援助を恒久化するための戦略である。

例えばEugenie Scottは、「全米科学教育センター」という結構な名前のついた戦闘的プロ・ダーウィン組織の所長であるが、公認の人本主義者である彼女は、キリスト教的世界観を否定しているにもかかわらず、2002年にこう書いた――「私は、最も効果 的な進化論の味方は信仰集団であることを発見した。後ろに白襟を垂らした一人の聖職者は、常に教育委員会の二人の生物学者に匹敵する!」

ダーウィニズムを疑う者たちを取り込むために、スコットは進化を、時間をかけての変化として食べさせやすいようにすることを奨励している。「現在は過去とは違う」という当たり前のことを呑み込ませ合意させたあとで、やおら彼女は「偉大な思想」であるダーウィン進化論を彼らに紹介するのである。「進化の日曜日」を組織する人々も、この同じ餌で釣る方法を用いる。

アメリカ人の大多数は、十分に根拠ある理由でダーウィニズムを拒否している。まずそれは科学的証拠に合わない。次にそれはキリスト教の中心的教義と矛盾する。ダーウィンを称えるために「進化の日曜日」などを設けるのなら、その代わりに教会はこの日を、神の創造と本当の科学の価値を再確認するために用いるべきである。そこには当然、進化論の長所と短所を吟味することが含まれる。

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