Discovery Institute News
言論の自由に何が起こったのか?
―体制派によるID迫害の実態が映画に―
By: Premise Media
August 22, 2007
ベン・スタインが新作映画“Expelled:
No Intelligence Allowed”(『追放:知性の禁止』)で、「ダーウィン機械」の恐るべき計画を暴露している。
ロサンジェルス2007年8月14日――この映画はフェリス・ビューラー(訳注:『フェリスはある朝突然に』の主人公の高校生)がずる休みをして観に行きそうな作品だ。自由を愛する学生なら、自分の高校の理科教師がひとつの理論を議論の余地のない事実として教え、大学教授たちが優勢な信念体系に敢えて疑問を投げかける同僚科学者を無慈悲に弾圧していると知ったら、間違いなく憤慨するだろう。これはハリウッドの最新コメディーの話ではない。すべての科学者は、何であれ証拠が導く結論に従う自由が認められている、と考えるすべての人にとって、この穏やかならぬ
新作ドキュメンタリーはショッキングである。
Premise Mediaが制作した映画『追放』は、『パッション』(The
Passion of the Christ)、『ポーラー・エクスプレス』(Polar
Express)、『ナルニア国物語』(The Chronicles of Narnia)など、ハリウッドの大ヒット映画を世に送り出したMotive
Entertainment社がマーケティングを行い、老舗の配給会社で幾多の興行的成功を収めているRocky
Mountain Picturesが配給する。
『フェリスはある朝突然に』(Ferris
Bueller's Day Off)と『素晴らしき日々』(The Wonder
Years)で愛すべき、単調な教師役を演じたベン・スタインは、人類最大の問いのひとつ――我々はデザインされた存在なのか、それとも単に太古の水たまりに雷が落ちた結果
なのか――に答えを出すための旅に出た。弁護士であり、エコノミスト、大統領の元スピーチライター、作家、社会問題のコメンテーターでもあるスタインは、旅の途中で発見した事実に驚愕する。彼が見たものは、エリート主義の科学者既成体制が、疑ってみるという姿勢を捨てドグマ(独断的教義)に走る姿であった。そればかりか、スタインはその途上で、チャールズ・ダーウィンの突然変異と自然選択の理論に対するいかなる異議も認めない科学者既成体制により、名声を破壊されキャリアを台無しにされた多数の生物学者、天文学者、化学者、哲学者たちと出会う。
「この生物学という分野のビッグ・サイエンスは道に迷っています」とスタインは言う。「科学者はそこからどのような結果
が導かれようと、あるいはそれが何を示唆しようと、証拠に従うことを許されているはずです。探究の自由が著しい危機にさらされています。それは単に米国の精神に反するのみならず、科学の精神に反しています。学問の概念全体に反しているのです。」
映画『追放』は、自然界に「デザイン」の根拠が存在することを信じ、生命は偶然の結果
であるという考え方に挑戦する教育者や科学者たちが、そのことゆえに嘲笑され、テニュア(終身在職権)を拒絶され、さらには解雇さえされている実態を明らかにしている。例えば、スタインはリチャード・スターンバーグに出会う。スターンバーグは二つのPh.D.を持つ生物学者で、宇宙における知性の存在根拠について述べた査読付きのある論文を科学誌Proceedings
of the Biological Society of Washingtonに掲載することを認めた。出版からまもなく、全米科学教育センター(National
Center for Science Education)と、スターンバーグが研究員を務めていたスミソニアン協会(Smithsonian
Institution)の職員らが連携して組織的な中傷・脅迫を開始し、若く有望な科学者だった彼をその地位
から追放したのである。科学の自由に対するこの攻撃はあまりに激しく、米国議会による調査にまで発展した。
スタインは旅の途中で別の科学者たちにも出会う。天文学者のギエルモ・ゴンザレスは傑出した業績があるにもかかわらず、アイオワ州立大学からテニュアの取得を拒絶された。ゴンザレスは、宇宙におけるデザインを観察したことを記述するという過ちを犯したのである。そのほか、ジョージ・メイソン大学の聡明な生物学教員であるキャロライン・クロッカーは、ダーウィン理論の問題点について少しばかり議論し、宇宙にデザインの事実が存在することを信じる科学者もいると学生に話したことを理由に、大学から追い出されてしまった。このような事例は枚挙に暇がない。
他のドキュメンタリー映画と違い、『追放』は物語のひとつの側面
を代表する人々の話だけ聴いているわけではない。映画は『神は妄想である』(The
God Delusion)の著者リチャード・ドーキンズ、有力な生物学者で無神論のブロガーであるPZマイヤーズ、全米科学教育センターの責任者ユージニー・スコットらとも向き合う。『追放』の制作者らは2年間にわたって世界をめぐり、多数の科学者、博士、哲学者、一般
の指導者たちへのインタビューを行っている。その結果
、公立の高校や大学、研究機関から思想の自由および探究の自由が追放されているという驚くべき事実が浮かび上がってくる。
「『追放』の素晴らしい点は、我々が“衝撃的効果
”を狙ったインタビューの操作に走っていないことです。それは最近のドキュメンタリー映画にはありがちなことです」と、Premise
Mediaの共同創設者で共同制作責任者のウォルト・ルロフは言う。「エリート主義の科学者の主張を実際に耳にした人々は驚くでしょう。彼らは、アメリカ人の大多数がおとぎ話を信じる間抜けだと言っているのです。真理を探究し発見する自由こそが人類最大の遺産だと信じているがゆえに、私たちPremise
Mediaはこの困難な使命を引き受けました。」
Motive Entertainmentのポール・ラウア社長が陣頭指揮を取る『追放』の広範な草の根キャンペーンには、全米規模の上映会、著名指導者による推薦、宣伝用資料、宣伝用DVD、広報活動、ラジオ広告、インターネットなどが含まれる。さらに封切前のキャンペーンでは、全米の教育者、若者、科学者、家庭、メディアとの前例のないパートナーシップや広範なキャンペーン活動も行われる。
『追放:知性の禁止』(我々の仮の訳)は2008年2月公開予定(米国)。ベン・スタインの旅の詳細はホームページを参照:www.expelledthemovie.com.
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