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ドーキンズ、「ヒトラーの優生学を見直すべし」と新聞に意見

The Expelled Chronicle(映画『追放――インテリジェンスは許さない』のHPニュース)
By: Lawrence Ford
March 14, 2008

(ここで問題になっているドーキンズの寄稿記事は2006年11月19日のもの。このコメントはその直後に書かれている――訳者注)

先週、スコットランドの新聞「サンデー・ヘラルド」に、「読者の声」の体裁で、『神は妄想である』の著者でオックスフォード大学教授、ダーウィン進化論の宣教者として高名なリチャード・ドーキンズ博士の「優生学も悪くないかもしれない」というタイトルの一文が載った。これは人為的な人間の品種改良、すなわち1930年代のナチス・ドイツにおいてヒトラーが試みたような「優生学」の、積極的な利点を見直す必要があると論じたものである。

現実には「サンデー・ヘラルド」が、『あなたの危険思想とは何か』というジョン・ブロックマンの新著のドーキンズによる「あとがき」から、この内容を拾ったものである。「優生学」(eugenics)とは『ランダムハウス英語辞典』によると、「人類あるいは人種の質の向上をはかる研究、あるいはそれが可能だとする信念。特に、遺伝子上の欠陥や遺伝する望ましくない特質をもつと考えられる人々の生殖を防止し(消極的優生学)、遺伝する望ましい特質をもつと考えられる人々の生殖を奨励する(積極的優生学)方法によるもの」と定義されている。優生学は「人種衛生学」とも呼ばれ、よい種を助長し悪い種を除去する民族浄化を指すこともある。

ヒトラーのナチ体制は、1933年、「遺伝病をもつ子孫を残すことを禁ずる法」を発効させた。これはドイツ社会の差別 されたある部分に対し、「遺伝厚生法廷」において決定された通 りに、強制的に不妊処置を施す実質的な権限を「第三帝国」に与えるものであった。このほかに「決議T4」のように、戦争の終わるまでに数百万人(ほとんどユダヤ人)を死に至らしめたナチ法もあった。

その攻撃的なダーウィニズム弁護と、信仰をもつ人々に対するもっと激しい攻撃のために「ダーウィンのロットワイラー(警察犬)」と呼ばれてきたドーキンズは、この優生学の思想を当然のことと考えている――「ミルク生産のために牛の品種改良をし、スピードを求めて馬を改良し、牧畜のために犬を改良することができるのなら、いったいなぜ、数学や音楽や運動能力のために、人間を品種改良する(breed)ことが不可能だろうか?」

もし牛や馬や犬と人間の間に違いがないとするなら、そのときにはドーキンズの論理は合理的で、人間は『猿の惑星』の住人として、より高度に進化した猿によって功利的な目的のために品種改良されることを期待すべきであろう。このシナリオはもちろん滑稽である。しかしドーキンズの論理の中にある道徳的真空が、いまだに彼をしてそのような可能性を弄ばせている――「私は、ヒトラーの死後60年たった今、音楽的才能のために子供の品種改良をすることと、音楽のレッスンを子供に強制することの間に、どんな道徳的違いがあるのか、少なくとも問うてみるだけの勇気があってもよいと思う。あるいは、なぜ、俊足ランナーやハイジャンプ選手を育成することが許されて、彼らを育種(breed)することが許されないのか? 私はいくつかの回答を考えることができるし、それらはすべてもっともな回答である。しかし、そうした問いを呈することさえ怖れるのを、そろそろやめてもよい時代が来たのではなかろうか?」

ドーキンズ教授が、猿に人権を認めよという国連への提案を支持したのは、驚くにあたらない。使徒パウロはこの神なき論理についてこうコメントしている――「彼らは神の真理を変えて虚偽とし、創造者の代りに被造物を拝み、これに仕えたのである。創造者こそ永遠にほむべきものである。」(ローマ人への手紙1:25)

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