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ゲーム「スポア」はIDの理解に役立つ

By: Katherine T. Phan
Christian Post
September 14, 2008

最新の大流行のビデオ・ゲーム「スポア」(Spore)は、愛好家を単細胞生物から複雑な文明へと導きながら、進化論を宣伝するものだが、このゲームは、神とインテリジェント・デザインの理解に資するという意見もある。

幅広い人気をもつ「ザ・シムズ」の作者で新作ゲーム開発者ウィル・ライトによると、このゲームには、進化とデザインの両方の観点が含まれている。

「基本的に『スポア』のテーマは、生命の起源から進化にいたるすべてを完全に示して見せることです。しかしプレーヤーは、その各段階で何かを創造しているのです」とライトは「ABCニュース」に語っている。

同時に、ライトは「USAトゥデイ」紙とのインタビューで、プレーヤーが創造する世界は「決して創造論者がいう宇宙ではない」ものの、プレーヤーが「知的デザイナーの役割」を担っているために、ゲームに「インテリジェント・デザインの観点」が含まれていることを認めた。

プレーヤーはまず、単細胞アメーバに餌を与えることからゲームを始めるが、このアメーバは2次元世界で斑点のような栄養素を十分に食べたあとで、最後に卵を産むようになる。プレーヤーは卵を「編集する」ことによって、その単純な生物をより複雑な生物へと変化させることができる――例えば、望みに応じて、七つの足と一つの目、紫の皮膚をもった生物などに。

プレーヤーは、卵の各段階で自分の生き物をさらに「進化」させ、さまざまな体の構造や身体的能力、より大きな脳さえも持たせることができ、そのすべてがゲームにおけるその生き物の能力と個性に影響を与える。プレーヤーの目的はこの生き物を通 じて、子孫を産み増やし、都市を運営し、惑星を支配し、最終的には、他のプレーヤーが創造した別 の世界や銀河系を征服することである。

ID派の人々は、彼らの主張を支持する内容だとしてこのゲームをやや肯定的にとらえている。

「『スポア』がダーウィニズムの仕組みによる進化でなく、インテリジェント・デザインによる進化のゲームであることは誰の目にも明らかだ」と、IDの主要なシンクタンク、ディスカバリー・インスティテュートのケーシー・ラスキンは関連するブログEvolution News & Viewに書いている。

ID唱導者たちは、生命は「知的デザイナー」に由来すると主張するが、経時的変化としての進化は受け入れている。この見方は、進化がランダムな変異に働く自然選択に基づくものとするネオ・ダーウィニズムの進化理論と対立するものだ。

「スポア」は、IDに対するダーウィニストのさまざまな反論をも退けるものだ、とラスキンは言う。例えば、デザインを検知するにはデザイナーに関する知識が不可欠だとの反論もその一つだ。

「YouTube(ユーチューブ)をブラウズするだけで、その本当の名前や親の名前、出身部族などがまったく分からない人々がデザインした、何千とは言わないまでも、何百もの「スポア」生物を見つけることができる。我々はデザインを検出するために、デザイナーが誰であるか、また誰がデザイナーを生んだのか、などを知る必要はないのだ」とラスキンは書いている。

Slate.comのある筆者によれば、ラスキンは、「スポア」に関わっている二人の「ID派」のビデオ・ゲーム開発者を知っているということである。

インターネット上では、進化というテーマは反キリスト教的だという批判に対し、クリスチャン、非クリスチャンを含めた多くのゲーム愛好家が、「スポア」を擁護するようになった。

ベンジャミン・コーマックは、ゲーム・サイトGotGame.comの記事で、「スポア」を通 じてプレーヤーたちは、わずかでも神の心を理解することができるかもしれない、と述べた。

「あなたは自分が創造したものを扱い世話することで、彼らの成長する姿を見ながらまるで親のような気持を抱くかもしれない。彼らは子供あるいはシーモンキー(訳注:小型の甲殻類、アルテミアの商品名)のような存在だ」と彼は書いている。

“Crocodile_Key”と名乗るあるクリスチャンのゲーム愛好家は、GameSpot.comのフォーラムに、「クリスチャンであることと、『スポア』が好きだということは矛盾しない」と書いている。

彼は「自分はクリスチャンとして育てられ、これからもずっとクリスチャンのままだろう。だからといって私は偽善者ではない」と書いている。

彼は、このゲームのテーマは進化を含むものだが、その表現の仕方は不快なものではない、と結論付けている。「これは楽しみながら、イマジネーションを働かせて創造することを意図したゲームだ。」

愛好家たちが何年も待ち続けた「スポア」は9月4日にオーストラリアと北欧地域で、翌日にはヨーロッパ、日本、南米、ニュージーランドで発売が開始された。北米とアジア太平洋地域では9月7日に発売された。

近年もっとも期待されたゲームの一つであるだけでなく、「スポア」はBitTorrent(ビットトレント)(訳注:ファイル転送用プロトコル及びそのソフトウェアの一種)を使用したサイトで、ダウンロードが50万件に達するなど、史上もっとも違法ダウンロード数の多いゲームになることも間違いないようだ。

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