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生物模倣とインテリジェント・デザインのメディア報道が増加

By: Casey Luskin
June 26, 2009

昨年、私はbiomimetics(生物模倣、biomimicryともいう)について一連の記事を書いたが、これは人間の技術者が技術向上のために自然を模倣することを指す言葉である。最近のブログで私は、イカの発光を模倣する新しいテレビ技術が、生物学におけるIDの立場をさらに強めるものであることを指摘したばかりだ。メディアの中にさえ、生物模倣とIDとの関連を否定できない人たちがいる。ロンドンの日刊紙「テレグラフ」の最近の記事は、「生物模倣――なぜ世界はインテリジェント・デザインに満ちているか」というタイトルがつけられている。それはこう書いている、「人間の賢さを忘れよ――最先端のテクノロジーの最上の知恵の源は自然かもしれない、とbiomimicryの専門家は語っている。」もちろんこの記者は、自然に本当のデザインがあるとは言えなかったようだが、こう述べている、「我々人間は、自分がデザインや技術にかなり長けていると思っている。しかし我々は、母なる自然が人間より36億年も先輩であることを忘れている。」この記事は、それにもかかわらず生物学に基づいたさまざまな技術革新が存在することを論じている。例えば次のようなものがある――

*ナミビアの霧を浴びる甲虫が、海水の脱塩、作物栽培、発電を同時に行う方法を教えた!

昼間は、この甲虫のくすんだ黒い殻は熱を放散する。夜になるとそれは周囲よりわずかに温度が低くなり、殻の上に霧を凝結させる。朝になると甲虫は少し身体を傾け、水を口に流れ込ませる。これのより大規模な応用では、空中から集められた、あるいは海岸から汲み上げられた海水を温室の前側で蒸発させ、作物栽培に適した湿度の環境を作り出す。次いで水蒸気が(塩分をあとに残して)温室の後ろ側にあるくすんだ黒いパイプ(複数)上に凝結する。これと並んで集中太陽発電装置が設けてあり、それがこの蒸留水で洗われた鏡面 を使って太陽光線を集める。その熱が水を水蒸気に変え、タービンを廻して発電させる。このシステムは、温室が必要とする真水の5倍の量 を作り出すだけでなく、他の太陽発電装置でできる2倍のエネルギーを産出する。(Sanjida O’Connell, “Biomimicry: Why the World is Full of Intelligent Design,”Telegraph, June 8, 2009)

*生態学の食物網の概念を用いて、紙くずを粉砕し、これを使って虫を育て、キャビアを取るための鯉を養殖する。この魚はそのあと樹木や野菜を育てる肥料を作り出す。

*昆虫(特にミツバチ)の複眼を模倣して、角度300度以上見える、そしてロボット・カーの衝突を避けるのに役立つカメラを作る。

*昆虫の6本脚歩行を模倣して、「平地の歩行も壁面 や他のどんな表面の歩行も可能な」ロボットを作る。この記事は、昆虫のジャンプ能力を真似たロボットの試みについても報告している。

Biomimicryの他の最近の新しい報告――電子蝸牛殻とカバの汗による日焼け止めクリーム
「人間の耳に霊感を得た万能ラジオアンテナ」と題する最近のMSNBCの記事は、より性能のよいアンテナを作るための、多くの周波数の音声を拾うことのできる人間の耳の研究について述べている。研究者たちは(内耳の)蝸牛殻を模倣しようとしているのだという――

人間の耳のユニークな構造は、広範囲の音声を聞き分けることを可能にしている。さまざまなサイズの繊毛と呼ばれる何千本もの微細な毛をもつ渦巻きは、100ヘルツから1万ヘルツに至る、一つひとつの周波数を耳が弁別 し、その情報を脳に送ることを可能にする。(Human Ear Inspires Universal Radio Antenna)

もちろん、人間の耳が聞き分けるのは音波であって電磁放射ではない。そこでこの論文はある応用の仕方について述べている――

圧力波でなく電磁波を見分けるために、MITの科学者たちは繊毛の代わりに回路を用いた。一番外側の1.5mmx3mmチップの小さなスクウェアから始まり、それぞれが違ったサイズの電波に対応している。渦巻きが中心へ向かうにつれてスクウェアは次第に大きくなる。渦巻きの外側は最も高いエネルギー、最も短い周波を見つけ、中心の回路はよりエネルギーの弱い、長い周波を見つける。

最後に、ある最近のニュース記事は、生物模倣がいかに効果 があるかという説明から始めている――

インスピレーションを自然に求めるということは、多くのものを作る上の鍵となる。それは竹を見習った非常に高いビル建設から、現在科学者たちがカバの汗からうまく作れると信じている日焼け止めクリームにいたるまで、いろいろある。これに嫌な顔をする人もあるかもしれないが、これは望み得るかぎりの最上の防護クリームになりそうである。

明らかにカバの汗は、強力な日焼け止めとしてのユニークな効力をもっている――

カバの汗を顕微鏡で分析してみて、この研究者はそこには、帯筋入りのものと帯筋のないものの2種類の結晶構造があることを発見した。彼は帯筋入りの結晶は「同心円的な黒っぽいリングが特徴」であることを突き止め、これがこの液体の驚嘆すべき特質の鍵であると推測した。「このリングは、可視光線の波長に匹敵する精度で生じている構造的周期性の結果 である。このことはこの汗が有効な光線拡散の機能をもつことを意味し、したがってそれは日光の遮断と日焼け止めの両方の特質を併せ持つ」と、Vineyは述べている。

したがってカバの汗の分子構造には、ある特殊な「可視光線の波長に匹敵する精度で起こり」日光を拡散し日焼け止めとして働く同心円的リングが含まれるのである。これは特定された複雑性(specified complexity)の素晴らしい例としてみるべきか、あるいは導かれない進化の一つの例としてみるべきか、そのどちらかである。この論文はその点で立場がはっきりしている――

この発見は、自然の能力の真の大きさと共に、進化の完全さをここでも示すものだ。この独特の能力があってこそ、この動物は、数百万年にわたって比較的動かないで日光にさらされるライフスタイルを続けて生き残ってこられたのだ。

そうかもしれない。しかし、人間のテクノロジーは明らかに知的にデザインされたものだが、にもかかわらずそれは、進化論者によれば、知的にデザインされたものでない生物学的な構造やシステムに現在及ばないでいるということを、忘れないでおこう。進化論はとうてい信じられないのではなかろうか?

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