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ニューヨーク・タイムズがベン・スタインを「追放」
Bruce Chapman
August 10, 2009
ベン・スタインが映画『追放――インテリジェンスは許されない』を作ったとき、彼はこの映画の中で彼がダーウィン批判者を庇ってやったその同じ個人攻撃を、自分自身が受けることになるとは思わなかったであろう。ところが彼が見出したのは、唯物論左翼のみならず唯物論右翼でさえ、ダーウィニズムをその世界観の根底にもっているという事実であった。彼らを怒らせるようなことを言ったりしたりしてはならない。学問の自由を弁護することさえできないのだ。
1960年代に言論の自由を要求して権威者たちを弾劾した人々が、今は体制側の終身在職権をもつ教授や新聞等の論説委員になっている。そして今、彼らはいかなる批判をも許さないのである。
そこで予想もしなかったが、ベン・スタイン自身が殉教者になった。昨年春には、リチャード・ドーキンズがヴァーモント大学に干渉して、ベンがこれまでずっと行っていた卒業式でのスピーカー役をやめさせた。そして今度は、ニューヨーク・タイムズが不誠実なやり方で彼をお払い箱にした。いかにもありそうなことだが、タイムズは実業コラムニストとしてのベンをクビにした本当の理由を言わなかった。イデオロギー的なものだったからである。彼らはただやんわりと、スタインは「利害の衝突」(conflict
of interest)を起こしていると言っただけだった。これはジョークだが同時に侮辱でもある。
実際には、ベンはきっとこの殉教者の役割を楽しむようになるだろうと私は思う。我々の多くがそうであるように、これまで彼は本当の差別
というものを受けたことがなかったから、彼はこれを面
白い経験として受け止めることだろう。中年を過ぎて熟年に入った彼は、このムチの痛みが彼のミューズ――諧謔のミューズ――を刺激するようにさえ感ずるのではないだろうか。クビになったことについて書いた彼の「アメリカン・スペクテーター」に寄せたコラム記事が、何百というコメントを引き寄せ、そのほとんどが好意的なものであり、その他は崇高な無知や自己満足からくるものであったことは特筆に値する。
ベンよ、君が手に入れた新しいネタを利用すべきだ。きっと君が本を書くように、インテリジェント・デザイナーが準備してくれているのだから。
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