Evolution News and Views

書き込みの攻撃で即刻ボツとなる
―最近の私の体験―

Michael Behe
August 28, 2009

最近私は、私の本にまつわる不気味な体験をした。これは十数年前、あるカナダの大学教授が私の行ったある講演の後で、私を捕まえようと仕掛けたネズミ捕りをもって私を追っかけまわしたとき以来の体験である。先週、私は「ブロギングヘッズ・テレビに出ませんか?」という次のようなeメールを、このサイトの主任から受け取った。

マイケルさん、こんにちは、


私はあなたにBloggingheads TVに出ていただけないかと考えています。これはジャーナリストやブロッガーや学者の間のビデオ討論を主催しているウエブサイトです。私たちはニューヨーク・タイムズと提携しており、彼らは我々のショーの中らか選んで彼らのサイトに発表しています。


これまでに出演した著名な思想家には、Paul Krugman, Paul Ehrlich, Frans de Waal, David Frum, Richard Wrangham, Francis Fukuyama, Robert Kagan, Michael Kinsleyなどがいます。


これは最近のショーの一つですが、ディスカヴァリー研究所のPaul Nelsonとウィスコンシン-マディソン大学のRon Numbersの対談です:
http://bloggingheads.tv/diavlogs/21107


あなたも参加を検討していただけないでしょうか? 初めて参加された方たちはしばしば、この構成は緊張感がなくて気持ちがいいという感想をもらしています。テレビやラジオでは不可能な、微妙で深みのある意見表明ができると言っています。ご参加いただけるなら幸いです。


もしご都合がよろしければ、お知らせください。テープの用意をいたしますので。お時間をいただき有難うございます。

気さくなよい人のようだったので、2日後に私はメールで、よろしい、喜んで引き受けますと返事をした。編集者は折り返し、では来週のどこかで行います、あなたの討論相手はマンハッタン研究所のJohn McWhorterです、と言ってきた。私はマクホーターという名を聞いたことがなかったので、グーグルで調べてみると、言語学者で人種問題についてよく書いている人だとわかった。保守主義者(経歴からそうらしく思えた)でもIDに対しては厳しい人たちがいるので、どういう人物か予断はできないと思っていた。

火曜日の午後、ビデオの用意はすっかりできた。インタビューが始まったとき、このマクホーター氏が実は私のファンであったことがわかり、私はうれしくもあり驚きもした。彼は私の『The Edge of Evolution(進化の限界)』が好きだと言い、もっとこれを世に宣伝すべきだと言った。彼はブロギングヘッズTVのインタビューを始めてから、まだ回数は少ないのだとも言った。またこの本への批判もよく知っているが、あまり説得力がないと言った。彼はまた、ダーウィニズムは生命を説明できているとは全く思えない、大規模な進化的変化について詳しい納得できる説明を読んだことがないと言った。彼は自分は神を信じてはいないが、この本はそれを考えさせるとも言った。これに応えて私は『The Edge』の議論を要約し、タンパク質の構造について話し、IDは「退屈」で科学の袋小路だという彼の反対論に応対した。ビデオ撮りが終わってから私は考えた――なんだ、ブロギングヘッズTVの連中はみないい人たちじゃないか。

翌日私は編集者にメールして、このショーはいつ放映されるのかと訊ねた。彼はすぐさま返事をよこし、今この瞬間、もう見られるようになっています、ご参加有難うございました、と書いていた。リンクをクリックしてみると確かに見られた。そこで何人かの友人にこのインタビューのことを知らせた。その夕方、友人の一人がインタビューはどこにも見当たらないと言ってきた――取り下げられたのだった。

これを読んでくださる方々に強調しておきたい。我々は自由な人々の国、勇敢な人々の発祥の地に住んでいるのである。にもかかわらず、一つのウエブサイトが多少は話題になっている人物とのインタビューを企画し、数時間後にこれを引っ込め、ゴミ箱送りにしてしまったのである。なぜこういうことになったのだろうか? 二つの可能性が考えられる――1)我々は自分で考えているほど自由でないのかもしれない。それとも2)自分で考えているほど勇敢でないのかもしれない。

私は2)の方が大きいと思う。後に聞いた話では、インターネットがその魔性を発揮して、このショーが出た直後に、そのコメント欄が「ひどく敵意に満ちた」サイバー攻撃者に乗っ取られ、中にはブロギングヘッズの将来がどうなるか保証できないとほのめかすものもあったという。

このビデオが取り下げられたと知ったとき、私はジョン・マクホーターと編集者にメールして説明を求めた。するとジョンが返事をよこし、ビデオの取り下げを要求したのは彼自身で、その理由は、彼と私があまりにもウマが合いすぎて、それがブロギングヘッズの討論の精神に反したようだと説明した。私はそれはありそうもないと思う。(このサイトの他のショーを見ても、意見の合う人たちの討論がいろいろ行われている。)むしろ、このウエブサイトの人々は激しい敵意ある反応を予想することができなかった、そこで自分たちの評判と将来の雇用のことが心配になり、自分たちが生涯浮かばれなくなることを想像してパニックを起こし、ボツにしたのだと思う。

暴徒というもの、特にインターネット上の暴徒は恐ろしいものだ。彼らが思いもよらず自分の家に押し掛けてきたときのパニックは理解できる。しかし時代の争点となっている問題についての討論を放映する以上、このブロギングヘッズの人たちはもう少し大きな勇気をもつべきだったと思われる。

大の男たちを震え上がらせたこのインタビューを、自分の目で見たい人は、ここを見ていただきたい。

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