Evolution News and Views

ビーヒーのインタビューは回復したが…

(編集者注――反ID圧力(脅迫)の出所についての憶測がビーヒー氏自身と微妙に違うが、事件の本質は変わらない。)

David Klinghoffer
August 31, 2009

先日私が、Bloggingheads TV上での生化学者マイケル・ビーヒーに対するJohn McWhortonのインタビューがスターリン式に検閲削除されたことについて書いたとき、「ワオ!」という言葉で始めた。私はもう一度「ワオ!」と言わねばならない。なぜワオか? それは私が予想していたように、このことが起こったとき編集主任のRobert Wrightが現場にいなかった――実は居場所を告げず瞑想道場に行っていた――からで、彼が戻ったとき、スタッフの行った削除処置は解除され、インタビューは見られるようになった。よくやった、ライトさん!

これについて言っておきたいことが3つある。第一に、ロバート・ライトにはおめでとうと申し上げる。彼の非常に面 白い本The Evolution of Godについて、私は以前この場所でコメントしたことがある。彼はこの出来事についてわかり易く説明し、ビーヒーを検閲した弁解として彼の部下を公的に非難するよりほかなかったが、これは不当なやり方だったかもしれないと述べた――

このダイアブログ[diavlog=dialog video weblog「ブロギングヘッズTV」の始めた遠隔対談形式]は現在回復いたしました。このサイトからの当対談の除去は、私が留守中で相談ができなかったためにスタッフが決断したことです。(そうです、放送の世界でも現場から離れることは可能です。実情はこの通 りです[リンク]。)この場合の熱した状況の中で、私自身もスタッフの下した決定以外のことができたかどうか自信がありません。しかし冷静に考えてみて、この特定のダイアブログをこのサイトから除去することは、私たちの将来を決定する一般 原則からも正当化できないものと判断いたしました。言い換えれば、このような前例は作りたくないということです。しかし同時に、一つのダイアブログのサイトからの除去が妥当である場合も考えられます。そこでこの出来事は、私とスタッフ一同に、この種のことに対処する何らかのルール作りを考えさせるよいきっかけを与えました。一週間以内にその結果 を、ブロギングヘッズTVの背後にある考え方一般を含めて、ここに掲載することにいたします。

読者もご存じのように、ライト氏がIDファンでないことは彼の『神の進化』にも明らかである。彼はダーウィニストであり、特に彼の立場は、ダーウィニズムが他の領域よりももっと弁護しにくくなる進化心理学を含んでいる。しかし彼は公平な考え方をする人である。彼は決して有神論者でなく自分のことを唯物論者だと正直に書いているが、宗教に対して偏見はもっていない。面 白い人物で、ちょっとウィリアム・ジェームズのタイプだと言ってもよい。(ついでながら、ジェームズは科学的唯物論については魅力ある不同意の見解を述べている。)

そこでまずmazal tov(イディッシュ語で「おめでとう」)をライト氏に申し上げるのが一つ。第二点は、彼と他のあらゆる人が教訓とすべきことで、これはダーウィンを疑う者が直面 する思考停止的偏見がよく表れた出来事だということである。ブロギングヘッズの誰かがマクホートンに、ビーヒーの還元不能の複雑性についての十分な友好的な話にはならないように釘を刺した。インタビューが掲載され、6時間ほど後にはもう取り降ろされた。インタビューが消されたというだけでなく、マクホートンに大きな圧力がかかって、彼はそもそもこのようなインタビューを行ったことへの釈明を書いた、あるいは誰かに書いてもらった。

なぜ彼はこれほど簡単に譲歩したのだろうか? 彼は何らかの脅迫を感じたのだろうとしか考えられない。もし拒否すれば何か貴重なものを失うことになると考えたに違いない。生計の道に関わるような話だった可能性もある。私には彼が、ブロギングヘッズのコメント欄に書かれた匿名のダーウィン信者による否定的意見や、アビゲイル・スミス[Abigail Smith、このサイトでダーウィニストP・Z・マイヤーズと対談した女性]のような無作法でわいせつなブロッガ-を恐れるような人物とは思えない。(事実として言っておくが、彼はこれについての私のeメールによる質問には黙秘させてもらうと応えている。)

教訓は、これがダーウィニストのやり方で、誰であれ公にダーウィンを否定する者はこのように脅迫されるということである。今回については、事態を正常化したロバート・ライトがいた。しかし前にも言ったように、彼は同じダーウィニストでも、心の広さという点で他のダーウィニストとは違っている。これこそ礼儀にかなったやり方だが、これは通 常のルールからはずれた例外である。ダーウィニズムのルールでは、対話を拒否し質問は受け付けないことになっている。

第三点は、ライトが仕事上のルールを、ダーウィン進化論への懐疑を禁じないことに決めた以上、もっと多くの花をそこから咲かせてもらいたいということである。ライトは唯物論者だから、現代科学のものの見方によって唯物論的見方が唯一正しいものになると考えている(彼は別 の言い方をするかもしれない)。これは真剣な討論に値する一つの話題であり、魅力ある会話を引き出すであろう。私が見たいのは、ライト氏自身と、スティーヴン・マイヤー(『細胞に書き込まれた署名』の著者)やデイヴィド・ベアリンスキー(『悪魔の惑わし――無神論とその科学の僭称』の著者)の間の、唯物論そのものについての討論である。

それとも、マイヤーやベアリンスキーと、ライト氏の選択するダーウィニスト(誰かその勇気があれば)の討論でもよい。いかがですか、ボブ?

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