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宗教信仰の宇宙学的証拠を否定する唯物論科学者

Kevin Mooney
November 2, 2009

「ビッグバン」のもつ宗教的な意味合いを、何とか合理的に拭い去ろうとする天文学者や物理学者たちは、彼らが擁護すると主張する科学的厳密さから遠く離れた根拠のない理論を、魔術のように繰り出すのが特徴である。

この当惑させるような評価が、ディスカヴァリー研究所・上級研究員で有名な数学者であるDavid Berlinskiの新著の一部として出版された一連のエッセーの中で、強力に提出されている。宇宙学の内部で働いているこの無神論的衝動は、科学者共同体全体を通 じて明白に現れているものだと彼は論じている。

『否定されうるダーウィン(The Deniable Darwin)』は、正直な討論と捉われぬ探究を抑圧して、いま科学者共同体の中で支配をふるっている、偏狭でしばしば強圧的な正統派の正体を明かしている。ベアリンスキーのこの本は、進化論を輪郭づけたチャールズ・ダーウィンの『種の起源』の出版150年記念に合わせて出版された。

一連の目から鱗のエッセーの中で、ベアリンスキーはダーウィニズムのみならず、インテリジェント・デザインをも批判の対象にしているが、一つ一つのセクションが、科学者、大学人、同僚からの魅力ある反応に満ちている。

創造者の可能性を否定するより、その存在を確認すると思われる証拠が現れているにもかかわらず、あまりにも多くの科学者が、意味のあるやり方で人間の知識を向上させるよりも、宗教的思想を虚偽だと主張することにより大きな力を注いでいる、とベアリンスキーはインタビューに応えて言った。

「アメリカには権力の分立があってこれが異なった部署を監視していますが、これは科学については当てはまらず、多くの腐敗が生じています」と彼は言う。「科学はそれ自体の批判者を必要としています。現在、研究において用いられる同じ懐疑精神が、科学そのものに対して向けられるべきなのです。」

ベアリンスキーはまた、科学者はそれが崩壊したあとでも、ダーウィン思想にしがみつくことで既得権益を得ているが、それは彼らの地位 、身分、研究助成金が、進化論という前提と結びついているからだと言う。

なぜ科学者共同体が、宗教的確信を勢い付けるような研究にこれほど大声をあげて反対するかということの、これは少なくとも説明の一部にはなるであろう。「伝統的な宗教思想に対するこの攻撃は、我々の時代では科学が、理性をもつ男や女が信ずることのできる唯一の信仰体系として、信仰とは言わないまでも確かに献身すべきものとして、確固たるものとなっていることを示すものだ」と彼は書いている。

しかし科学的努力が、より大きな可能性に対する信仰と謙虚の感覚によって命を吹き込まれるという考えに、何ら原理的な間違いはないはずだ、とベアリンスキーは言う。

「我々は、こうした考え方を受け入れる一人の天文学者が重要な発見をし始めたからといって、シャーリア法(イスラム教の規制法)を当てはめるべきではない」と彼は述べた。

ベアリンスキーは彼自身ID主唱者ではないが、この概念を受け入れている他の科学者たちに対する非道な待遇と検閲に強く反対する。

そうした科学者の物語は、昨年公開されたマルチタレントのベン・スタインが解説する『追放――インテリジェンスは許されない』というドキュメンタリー映画によく描かれている。この映画では、ベアリンスキーを含む論争のあらゆる側の科学者や学術関係者がインタビューされている。

ギエルモ・ゴンザレスは以前には、アイオワ州立大学物理・天文学部に所属していたが、同僚たちが彼の物の見方に反対だったという理由でテニュア(終身在職権)を拒否された。これはディスカヴァリー研究所が入手した文書によって明らかになった。

『追放』には、ゴンザレスを始め他の多くの、ダーウィン思想と矛盾する見解を表明したために迫害され追放された科学者が登場する。ベアリンスキーはゴンザレスのことを、彼の分野で多くの重要な貢献をなした「特別 優秀な観察天文学者」だと評する。

彼の著書『特権的惑星』においてゴンザレスは、いかに地球が天の川銀河の中で観察と発見のために理想的に適した場所に位 置し、この惑星が宇宙の中でいかに特別の場所を占めているかという事実を指摘した。

「彼(ゴンザレス)はこの本で決して大げさな主張や宣言をしているのではないのです」とベアリンスキーは言う。「彼の言っていることはそれを示唆はするが、道理にかなった探究の範囲内に留まっています。それは決して思弁的(空想的)などでなく、その点で彼の見方を共有しない他の科学者の書くものと少しも変わりません。」

ベアリンスキーはまた、『悪魔の惑わし――無神論とその科学の僭称』の著者でもある。この前著は、宇宙学上の諸発見と伝統的な宗教信仰内容が一致すること、そしてこのことが世俗的科学者に与えた不快感について詳述している。

「神の存在の仮説とこの時代の宇宙学の諸事実とは調和する」と彼は書いている。多くの点で「ビッグバン」の証拠は、カトリック神学者で哲学者トマス・アクィナスが13世紀の昔に主張したことの多くを現実に確認している、とベルリンスキーは述べている。

彼の説明する通り、この現実は、科学界の内部で支配権を握っている無神論者にとっては居心地の悪いものであろう。

「ビッグバンが物理学においてある新しい考えを表現しているとすれば、それは思想においてある古い考え、すなわち初めに神が天と地を創ったということを示唆するものだ」とベアリンスキーは書く。「この物理学と聖書の歓迎されない対置のために、熱心な無神論者である天体物理学者フレッド・ホイルは、自ら軽蔑して名付けたビッグバンを退けた。それは彼だけのことではなかった。多くの物理学者が宇宙に始まりがあるという考えに、危機感を抱いてきたのである」と彼は述べている。

ベアリンスキーは『悪魔の惑わし』の中で、この時代の科学の限界と思い上がり、それに孤立した学界という環境の中にあぐらをかく「新無神論者」を暴く、一連の疑問を読者に向かって投げかける。

誰か神の非存在を証明した者があるのか?
科学は、なぜ我々の宇宙が、生命を存在させるために微調整されているようにみえるのかを説明しているか?

物理学者と生物学者は、それが宗教的思想でさえなければ、どんなことでも信じようというのか?

科学における、また科学哲学における何が、宗教信仰は不合理(反理性的)だという主張を正当化しているのか?

(ケヴン・ムーニーは、環境問題、政治的腐敗の問題を専門とする自由契約の調査報告記者)

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