CSC News
部屋の中の象:科学ドグマへの挑戦
―進化と同じく、気象変化でも「合意」がイデオロギーに
By: Rick Santorum
Philadelphia Inquirer
December 17, 2009
科学的合意を疑って真理を探究することは、何世紀にもわたって推し進められてきた科学の方法の一部である。しかし科学的合意が真理の探究を踏みにじるイデオロギーになってしまったとき何が起こるか? 答えは、合法的な探究を行っていた者が追放され、正統派にそむく者の経歴が傷つけられ、論争が抑圧されるということである。
不幸なことに私が言っているのは、現在の人為的地球温暖化説を唱える人たちのことだけではない。2001年に、私は進化の問題を教えることに関する法制的修正を提案した。私はこの単純な修正案に対して、上院で私が擁護しようとした他のどんな案件に対してよりも、多くの一斉攻撃を受けた。どんな異端説を私が提案したというのだろう? 次に掲げるのはその全文である――
よい科学教育とは、科学のデータや検証可能な理論を、科学の名においてなされる哲学的あるいは宗教的主張と区別
できるように学生を助けるものである。だから生物の進化が教えられる場合、そのカリキュラムは、なぜこの問題がこれほどの長く続く論争を引き起こしているのかを学生に理解させ、学生をこの問題に関する公的な討論の、情報を身につけた参加者になれるように導くものであるべきである。
これは非常に根本的な概念であったので、これが公表されて一時間も経たないうちに、リベラルな民主党員のテッド・ケネディはこれに署名した。彼は討論の中で、私の修正案の文言は「この団体の中心的価値といってよいものに完全に一致するものだ。私たちは子供たちが、彼らの手にはいるあらゆる情報を根拠にして、さまざまな科学理論のことを論じ吟味することができることを望んでいる」と言った。
私の修正案は91対8で通過した。翌日、ダーウィニズム信仰者たちが怒り狂った。進化論について論争があるのかどうかを上院議員がよくも問題にできたものだ。この修正案は神を教室に持ち込もうとする狙いをもつものだ、と彼らは息巻いた。
ケネディは直ちに前言を撤回し、この修正案を最終的な法案の文言から削除することを約束したが、結局そうはならなかった。
最近のギャロップ世論調査によれば、「人間は何百万年もかけて発達してきたが神は全く関与しなかった」と考えるアメリカ人は14%しかいない。今年のゾグビー世論調査では、78%のアメリカ人が、学校教師は「ダーウィンの進化論を教えるべきだが、しかしその科学的な反証も同時に教えるべきだ」と考えている。同じ調査はまた、86%の自称リベラルが、「教師と学生はともに、科学理論としての進化論の長所・短所を公平に議論する学問の自由をもつべきだ」と考えていることを明らかにしている。しかし科学者「共同体」は、論争は存在しないのだから討論は禁止されるべきだと主張している。
イデオロギーによって動機づけられた科学が子供たちを教室で洗脳することと、政治家が国家経済を破壊し地球の富を配分し直すために、科学を利用することとは別
である。私の言っているのは勿論、最近の科学的論争抜きの人為的地球温暖化である。気象変化の権威者たちは地球温暖化科学は解決済みのことだと断言する――イギリスの気象研究ユニットでのひどい不正行為が最近明るみに出たことなど気にしなくてよろしい。また気象変化に疑いをもつ人々が、かなり前から提出していた合法的な質問なども気にしなくてよろしい。ここには調べるべきものは何もないのだ、先へ進もう――。
しかし我々はみな、世界が今日よりもはるかに暑かったことも寒かったこともあったこと、また何千年にもわたって多種多様な理由のために、気温が劇的に変化してきたことを知っている。それにこの複雑な分野について我々の知らないことはあまりにも多く、疑問だらけの仮定の組み込まれたコンピューター・シミュレーションによる以外には、我々は予言をしたり気象仮説をテストすることができないことによって、それはますます難しいものになっている。
こういう不確かさがあるので、ほとんどのアメリカ人は、専門家の自信過剰を危ういものと考えているのだと私はと思う。気象警告家の大言壮語と、メディアの過剰宣伝による彼らを支援するための何十億ドルという金にもかかわらず、最近のラズムッセン世論調査では、地球温暖化の原因が人間だと考える回答者はわずか37%しかいない。
何故だろうか? これはアメリカ人が、何を信じよと指図されるのを好まない国民だからかもしれない。あるいはもしかすると、「科学的」主張と称するものに我々が懐疑的になっているからかもしれない。特に我々の常識に反するようなもの――我々はバクテリアとあまり変わらない生物で、純粋に偶然によって存在しているだけだというダーウィニストの長年の教えとか、二酸化炭素は人間が吐き出し植物が必要とし、大気の0.1%以下しか占めないガスであるのに、人間の作り出すそれは、世界をオーバーヒートさせかねない危険な汚染ガスだという、先日出された米環境保護局の広報など――に我々は懐疑的になっている。
ある見方では、進化の問題には改善の兆候が見えている。我々は実際、別
類の熱い空気を見出すところまで進化したと言えるかもしれない。
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