Evolution News & Views
「どのようにインテリジェント・デザインをテストするのですか?」
―生物学教師からの質問に回答する
Casey Luskin
March 15, 2010
ある生物学教育者が最近、科学的方法を用いてIDをどのようにテストするのか、IDはどのように反証可能なのか、またIDは自然界に観察されるパターンをどのように説明するのか、といった質問を私に寄せてこられた。これらはすべて私たちが、教師、学生、一般
大衆で関心のある人たちから、常に受ける一般的質問であり、それらは通
常、もっともな、誠実な、考え深い質問である。この場合も明らかにそういう質問なので、私は下に、この教育者への回答のわずかに修正したものを、質問者の名前を厳格に伏せたうえで、公開することにする:――
親愛なる――、
Eメールをお寄せいただきありがとうございます。IDは間違いなくテスト可能かつ反証可能です。それは科学的方法を用いて、自然界に見られる多くのパターンを説明するものです。
まず初めに、IDがどのように科学的方法を用いるかについて。科学の方法は通
常、観察、仮説、実験、結論という4段階プロセスからなっていると説明されます。IDは、知的作用者が複雑で特定された情報(CSI)を生み出すという観察から始まります。デザイン理論家は、もし自然の対象がデザインされたものなら、そこに高度なCISが見つかるだろうという仮説を立てます。科学者は次に、自然の対象に対して、それらが複雑で特定された情報をもつかどうかを決定する実験的テストを行います。CSIのたやすくテストできる一つの形は還元不能の複雑性で、これはある生物学的構造を、それが機能するためにはその部品の全部を必要とするかどうかを見るために、実験的に逆行分析(リヴァース・エンジニアリング)することによって発見することができます。ID研究者が生物に還元不能の複雑性を見出したとき、彼らはその構造がデザインされたものであると結論します。
テスト(検証)可能性については、IDは次のようなテスト可能な予言をします:――
(1)込み入ったパターンに配列され特定の機能を果
たす、多くの部品からなる自然の構造物(e.g.複雑で特定された情報)が発見されるだろう。
(2)大量の新しい情報をもつ生物が、突如として、類似の先行形態なしに化石記録に現れるだろう。
(3)相似性(convergence)は日常的に起こるだろう。すなわち遺伝子や他の機能をもつ部品が、さまざまな関係のない生物に再利用されるだろう。
(4)いわゆる「ジャンクDNA」の多くは、重要な機能を果
たしていることがわかるだろう。
このような点でIDは反証可能です。我々がこうした予言をテストすると、IDはそのテストに合格します。例えば:――
予言1については、込み入ったパターンに配列され特定の機能を果
たす、多くの部品からなる自然の構造物、例えば還元不能の複雑性をもつ細胞内の機械が、たえず発見されています。バクテリアの鞭毛がその代表例です。タンパク質結合の特定された複雑性や、最も単純な自己増殖する細胞もまた別
の例です。詳しくは、私の記事「インテリジェント・デザイン(ID)が科学的長所をもつのは、その主張をするのに科学的方法を用い、デザインを推定することによってその積極的な予言をテストするからである」(リンク)や、「新しい生物学的情報の進化論的起源についての正しい質問」(リンク)を参照してください。あるいはスティーヴン・マイヤーの『細胞の中の署名』を読んでみるのがよいかもしれません。
予言2「新しい生物が突如として、類似の先行形態なしに化石記録に現れる」については、カンブリア爆発が第一の例です。詳細は、「インテリジェント・デザインは古生物学において科学的な長所をもつ」(リンク)をご覧ください。
予言3について言えば、類似の部品が、ダーウィニストでさえかけ離れていると見る生物間に見出されています。明らかな例は、眼や手足の発生を統御する遺伝子が、そのような形の眼や手足をもっていた共通
祖先があるとは考えられない、異なった生物間に見られることです。詳細は「生命の樹、初等読本1−3」(最新情報)を見てください。
予言4について言えば、遺伝学研究は「ジャンクDNA」の機能を発見しつつあり、そこには疑似遺伝子、イントロン、LINE,ALU,その他多くの種類の「ジャンクDNA」の機能性が含まれます。機能が未知のDNAはまだ沢山あります。しかしデザイン理論が研究者を機能調査に向かわせるのに対し、ダーウィニズムは一部の研究者を、コードしないDNAはジャンク(ごみ)だという間違った想定に立たせています。実は、ID主唱者たちは何年も前から「ジャンクDNA」というパラダイムの崩壊を予言していました。詳細については、「IDと“ジャンクDNA”ネオダーウィニズム・パラダイムの死」(リンク)をご覧ください。
これらの予言は「積極的デザイン論の主張」(リンク)に詳細に述べられています。この観点から次に、IDが、自然に観察されるパターンを予言し、理解し、説明するための枠組みを提供している幅広い科学分野のいくつかを挙げておきます:−−
*生化学では、IDが、タンパク質やDNAのもつ高度な複雑かつ特定された情報の存在を説明し予言している。
*遺伝学では、IDが、いわゆる「ジャンク」DNAの機能を予言し説明している。一方、ネオダーウィニズムはそのような研究を窒息させている。
*システム理論では、IDが、なぜ生物種の間に類似――特に、従来の進化系統学と甚だしく矛盾する極端な遺伝的「相似性」――が存在するかを説明する。
*細胞生物学では、IDが、なぜ細胞はネオダーウィン進化論の言う偶然的な副産物よりも、デザインされた構造物に似ており、科学者は分子機械の働きをよりよく理解できるかを説明する。
*システム生物学では、IDが、さまざまな生物学的システムを、より大きなシステムの統合された構成要素として見るように生物学者を仕向ける。それらはトップダウンの統制されたやり方で協働するようにデザインされており、それこそ生物学者がそこに見出そうとしているものである。
*動物学では、IDが――進化論がここで多くの誤った予言をするのだが――「痕跡」器官・構造・システムとされるものの機能を予言する。
*生物情報学では、IDが、遺伝子コードや他の生物学的コードに埋め込まれた、情報や機能する言語の新しい層の存在を説明する。
*情報理論では、IDが、ある種の情報を作り出すときに、知的原因が自然的原因よりも、どこでより優れているかを科学者に理解させるように働く。
*古生物学では、IDの生物システムにおける還元不能の複雑性の予言が、生命歴史を通
じての生命体の突然の出現、断続的変化と平衡状態のような古生物学的パターンを説明する。
*物理学と宇宙学では、IDが、より高度な生命体の存在を特異的に可能にする物理法則の微調整や、我々の宇宙の特質の、より多くの例の調査・発見へと科学者を導く。
最後に、「教育者のためのインテリジェント・デザイン早わかり」(リンク)が役に立つかもしれません。私たちはIDを公立学校の教科課程に押し込むことは勧めません。だからもしあなたが「ディスカヴァリー研究所」の勧める科学教育方針に更なる興味をお持ちでしたら、「DIの科学教育方針」(リンク)を訪問してください。
私たちは多くの教育者の方々に、進化についての論争をよりよく理解していただくお手伝いをしています。もっと情報が必要ならご連絡ください(リンク)。
|