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スミソニアンの人間起源展は学生のダーウィン離れを食い止めるため

Casey Luskin
March 29, 2010

スミソニアン博物館の新しい人間起源展「人間であるとはどういうことか?」は、ダーウィン進化論を疑うかもしれない学生の引き戻しを特に狙ったもののようである。

この展覧会の最も面白い部分は、進化論は進化の証拠がないことを予言した、だからこそそれが真実であるとわかるのだ、と誇らかに説明していることである。

まさにその通りで、これが我が国の最も権威ある自然史博物館が、進化論のあり方を示しているのである。つまり進化論は、確かな化石の証拠がある場合もない場合も、共にそれが進化の証拠であることを予言するものなのだ。「教育者の手引き」(リンク)はこう言っている――

考え違い――化石記録のギャップは進化の反証になる。

お答え――科学は実は化石記録のギャップを予言しています。多くの種は化石を全く残していません。そしてよい化石ができる環境的条件は、ありふれたものではありません。1つの生物個体が化石化する確率は信じられないほど小さいものです。にもかかわらず、新しい化石が絶えず発見されています。それらの中には多くの移行化石も含まれます。例えば、鳥類と恐竜の間、人間とその祖先である類人猿の間の中間化石です。化石記録のある部分について我々が知らないからといって、それが進化の反証にはなりません。

呑み込めましたか? その記録がほぼ完全である分類段階の生物の間にさえ、移行化石はほとんど見られないという事実を無視して、ダーウィン弁護者たちは今、彼らの進化説は「化石記録のギャップを予言している」と言っているのである。なんと都合のいい!

(今私には、なぜ移行化石がないことに意味があるかという彼らの説明がよく理解できる。私はそのことについてこれまでいろいろ批判してきた。その1つをごらんになりたければ、こちらをどうぞ(リンク))。

しかし皮肉なのは、もしあなたが「人間が進化したものとどうしてわかるのか?」と訊ねるなら、帰ってくるのは、「私たちの人間化石展示館にあるような化石は、現代人がより以前の人間から進化してきた証拠を示すものです」という答えである。だから化石がある場合もない場合も、それが進化の証拠になるのである。

しかも、展示してある「移行化石」のいくつかは全く疑わしいものだ。

Ardipithecus ramidusが、「1つの人間-アフリカ類人猿の共通 祖先」だとして展示されているが、この展覧会は、「アルディ」が最初に発見されたとき、それは「粉々に押しつぶされておりcrushed to smithereens」あたかも「アイリッシュ・シチュー」のような状態であったという事実は明かしていない。

この展覧会はまた、Sahalanthropus tchadensisを「最も古い化石人間」だと宣伝しているが、この種はたった1つの頭蓋骨と数片のあごの骨から推定したもので、古人類学者の中には、これは雌ゴリラのものかもしれないと言っている人たちがいるのである。

しかしこの展覧会は、公的な党路線に反する証拠は全くあげていない。例えば2004年、エルンスト・マイヤーは「Homoの最初期の化石、Homo rudolfensisやHomo erectusは、Australopithecusから大きな埋められないギャップによって隔てられており」、従って我々は「ミッシング・リンクとして役立ちうるいかなる化石をも持っていない」立場だと言っているのである。

たぶんスミソニアンのこの展覧会によれば、この大きな埋められないギャップは、進化の証拠がそれだけ増えたということになるのだろう。

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