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「唯物論的パラダイムの根幹を揺るがす」
―スティーヴン・マイヤー『細胞の中の署名』への新しい書評
Robert Crowther
April 6, 2010
『細胞の中の署名』への新しい書評がThe Journal of the
International Society for Philosophical Enquiry に出ている。この書評は、一人のソフトウエア技術者にして論理学者の見方を、その総合的な論評の前面
に打ち出している。評者Harry KanigelはUBS 投資銀行の前情報技術(IT)担当重役で、コンピューター・アルゴリズムに詳しい。当然デジタル情報については専門家だ。彼の書評は次のように力強く始まる――
スティーヴン・C・マイヤーは『細胞の中の署名』によって、インテリジェント・デザイン論争という試合の成り行きを一変させた。この本は秩序立てて、しかし気持のよい文章で、何らかの特定できない形でのインテリジェンスが、細胞中の生体分子機械の、従って最初の生命体の原因であるという議論を構築している。マイヤーの議論は根底において論理的で統計学的だが、同時に読者の日常的な因果
の経験を引きこむことによって、真実性を確かめさせようとしている。
結びも同じように力強い――
彼の長い議論は、百科全書的だが生き生きとしており、科学が、生命の起源を、導かれないプロセスの結果
として説明することに行き詰っていることを、納得させてくれる。全体としてこの本は、時に専門的にもなるが、一般
読者に向けられたものである。科学的訓練を受けている読者は、一冊の一般
向けの本が「うまく騙そうとしている(trying to pull
a fast one)」のか否か、望むらくは、それが歴史科学を通
じて一貫して冷静に適用されている基準によって導かれているか否か、を決定しなければならない。自らの議論に対する著者の情熱は生き生きと伝わってくるが、同時に冷静に良心的にコントロールされている。彼はたえず、自分の議論が、穏やかに言っても、放ってはおけないと考えている論敵からの軽蔑的な攻撃の標的にされていることを意識している。マイヤーは、この議論が、冷たくして供するのが最上である料理のように、しかし唯物論的パラダイムの根幹を揺るがすに十分な熱意をこめて、これを展開している。
6頁からなる長文のこの書評全体は、ここ(リンク)をご覧あれ。(GoogleでSITC:
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