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査読された科学論文がギエルモ・ゴンザレスの「銀河生活可能ゾーン」を引き、地球は「特権的惑星」であると主張

Casey Luskin
January 4, 2011

前の掲載分で私は、学術誌International Journal of Design & Nature and Ecodynamics に発表された、工学者Dominic Halsmerによる査読された(共著)論文 “The Coherence of Engineered World”を論じた。この論文は、多くの主導的ID科学者の著作を論評し、マクロスケールの宇宙から、我々の銀河系の構造、さらに生命の微視的特徴に至るまで、自然界はデザインの証拠を示していると結論している。

ハルスマーを代表とする著者たちはまた、さまざまな宇宙の微調整の例に注目し、「こうした最善値性(optimalities)は何らかの計算する意図性(calculating intentionality)あるいは超越的な宇宙のエンジニア(transcendent cosmic engineer)を示唆するものである」と結論している。あげられている1つの例は、宇宙の膨張率である――

この膨張率は、宇宙の密度とこの密度によって引き起こされる重力による牽引に基づくものであるがゆえに非常に特定的である。宇宙の密度が、ほんの10の60乗分の1でも増加すれば、重力は宇宙を中心に向かって崩壊させ、一方、もし密度が同じ量 だけわずかに小さければ、宇宙はどこまでも膨張し、銀河系は決して形成されることなく、もちろん生命は生まれない。この証拠は、何らかの計算する意図性が働いて、1つあるいは複数の生命の場所を支える自然法則に合わせて、宇宙の大規模な設計が行われたことを示唆する。(D.Halsmer, J.Asper, N.Roman, T.Todd, “The Coherence of an Engineered World,” International Journal of Design & Nature and Ecodynamics, Vol.4(1):47-65(2009).)

彼らはまた、ギエルモ・ゴンザレスが共同開発した「銀河生命可能ゾーン」というコンセプトを、微調整の一例として引いている――

しかし宇宙規模においては、我々の惑星は、Galactic Habitable Zoneという宇宙空  間の比較的狭い領域に位 置していることがわかる。このゾーンが、正しい表面温度、安定したmetallicity(水素やヘリウム以外の元素の割合)、液体の水を保つ能力、その他多くの、生命にとって必要な条件を可能にしている。宇宙に生命がなければならないという現実的な理由はないが、生命があるという事実が、我々の生存させているこのゾーンに重要性を与えている。

ハルスマーらは続いて、ゴンザレスとリチャーズ共著のPrivileged Planetの論点をこう説明している――

このゾーンは生命のために必要な条件を満たすだけでなく、それは人間に対して、宇宙のさまざまな不思議を眺めるための最高の位 置を与えている。地球を、そこから宇宙を研究するのに絶好の場所にする多くの特性がある。第一に、大気の透明性がある。我々の大気は、生命に必要な放射を通 過させるが、その致死的なエネルギーをほとんど遮断している。この透明性はまた、金星の場合にはそうなるように厚い大気によって起こされる歪みなしに、我々が宇宙空間を眺めることを可能にしている。第二に、我々の太陽系の軌道の規則正しさは、惑星の運動の時間計算をより予測可能にし、数百万年前の惑星の軌道を算定することすら可能である。最後に、天の川銀河の我々の領域のガスや塵は、水平面 の真中に近い領域と比べて希薄であるため、我々が遮るものなしに宇宙の80%を見ることを可能にしている。もし我々の太陽系が水平面 に対して垂直に移動すれば、残りの20%が見えることになるだろう。しかしこの場合、我々の現在もっている眺めの大半は、塵とごく近くの星の輝きのために見えなくなるであろう。・・・宇宙における人間の場所は、発見という点から考えれば、驚嘆するほど特別 なのである。地球という惑星は、星たちから知識を得るのに最高の場所にあるのだ。

この論文についての次の最終掲載では、それが生物学上のデザインをいかに弁護するものであるかを見ていくことにする。

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