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進化について正体をいつわる理科教師ロビー

Casey Luskin
March 3, 2011

合衆国の最も有力な教育組織の一つはNSTA(National Science Teachers Association, 全米理科教師協会)だが、これが他のダーウィン・ロビー(工作グループ)と歩調を合わせて、ネオダーウィン進化論は一方的な進化論オンリーの方針に従って教えられるべきだという立場を取っている。

これは進化論を科学的に批判することを禁止しようとする過激な立場である。その排他的・教条主義的性格において、NSTAの立場は、公立学校で進化論の授業を禁止しようとする宗教的ファンダメンタリスト一派の過激な立場と同等である。

しかしダーウィン・ロビーは頭がよい。自分たちに反対する者の見解を禁止し検閲しようとするとき、彼らはある物語を作り出し、反対者が検閲者であり過激派であるかのように言う。この物語は次のように展開する(私のパラフレーズ)――「インテリジェント・デザインとか創造論という暗黒の勢力が、公立学校から進化論を締め出し、彼らの宗教的信念を理科授業に力ずくで取り入れようとしている。我々は検閲と宗教的画策には立ち向かわなければならない。だからどんな犠牲を払ってもこれとは戦わなければならない。思想の自由と政教分離の擁護者たちよ、我々と共に立ち上がれ。」

2011年1月号の「NSTAレポート」(全国の何千という理科教師たちに頒布されるニューズレター)は、この物語が教師たちにどのように押しつけられるかを示す好例を提供している――

「私はどうしてもそれは教えられません。それを行ったら面 倒なことになります」と、NSTAを脱会したある教師が進化論の問題を含む科学セミナーを行ったとき、ある学生教師[たぶん教育実習生]はこれにコメントした。

どこで教えるかによるが、この女子学生が進化論のみならず、生命科学、天文学、地質学といった他の科学分野に関わる内容[決められた内容]を、弁護しなければならないということはあり得る。創造論やインテリジェント・デザインは公立学校のカリキュラムの一部ではないという考えをもつ人々は、しばしばこういった科目をターゲットとしている。(Judy Mckee, “Preparing for Controversy,” NSTA Reports, Vol. 22(5):17 (January,2011).)

この論文はさらに、テキサス州での最近の進化論教育をめぐる論争に言及している。現実にはもちろん、テキサスの主導的ダーウィン批判者で、進化論を検閲しようと考えている人は誰一人いない。進化論はテキサス州では依然として、カリキュラムの必修部分になっている。そして進化論を教え続けるべしとする指導要領が、ネオダーウィン進化論に批判的なテキサス州教育委員会メンバーによって、熱意をもって採択されたのである。

だからマッキーの戦略は、最も古い常套戦略の一つである――「汝の敵を過激派だと言いふらすことによって、汝自身が過激な立場の推進者である事実を覆い隠せ。」

現実には、ネオダーウィン進化論を批判する主導的グループ(ディスカヴァリー研究所のような)は、カリキュラムから進化論を追放したり禁止したりする試みには、強い反対の立場を取っている。我々はまた創造論を理科授業で教えることにも反対している。それは宗教的観点だからだ。IDについては、我々は、これは科学であってこれを教えることは憲法違反ではないと考えている。しかしIDに関する論争は科学論争であって、政治論争にはしたくないと思っている。だから我々は、IDを公立学校に押し込もうとする試みには反対している。ただ我々は、公立学校では、ネオダーウィン進化論に有利な科学的証拠も、不利な科学的証拠も、ともに教えるべきだと言っているだけである。

これに対してダーウィン・ロビーは、ダーウィン的観点だけを教えたがっている。そしてこの観点に異を唱えるいかなる科学をも検閲しようとする。クリスチャン・サイエンス・モニター紙上で私が最近説明したように、彼らはその手段として、反対の見解に宗教のラベルを貼るのである。私はこう書いた――

裁判所は一貫して創造論は宗教的観点であり、公立学校の理科授業で教えることは違 法だとしてきた。ダーウィン・ロビーは、彼らの気に入らない科学的見方に「宗教」あるいは「創造論」の烙印を押すことによって、教育者がそれに反する証拠を提出したり批判的な意見を述べたりできないように威嚇している。これは密かな、しかし効果 的な検閲の形態である。

メディアはこの戦略に引っ掛かり、科学的論争を求める者たちを、宗教教育を求める者と混同する論説を発表することになる。そこでダーウィン弁護者たちは、検閲者でなく英雄であるかのように振る舞うのだ。

政教分離を尊重する人々は憤激することになる。事の真相は、ダーウィン・ロビーが  宗教と国家の分離――それはよいことだ――を取り上げ、検閲を推進するためにこれを悪用しているのである。
(“公立校に宗教は取り入れられない、しかしダーウィン進化論についての論争は取り入れよ”)

両グループの立場は基本的に次のようになる――
比較表
(世論の支持率について事実を確かめるには、ここをクリック(リンク)。)

そこで、NSTAの論文のどこが間違っているのか? この論文は「創造論やインテリジェント・デザイン」唱道者たちは、教師が進化論を教えることを禁じようとしていると言っている。しかしこれは事実ではない。もし誰かが科学的情報を学生に与えないよう検閲しているとしたら、それはダーウィン・ロビーである。そして世論の大多数がNSTAの指導法に反対である。しかしそうした事情を知らず、NSTAの歪んだ現実像を受け入れる教師たちは、実は科学的異論の検閲を支持しているのに、自分は言論の自由を支持しているのだと思い込むだろう。

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