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ウィキペディアとダーウィン信仰の社会学

David Klinghoffer
February 5, 2012

私はつくづく、ウィキペディアを編集する人たちの有能な働きぶりをうらやましく思う。先週ここに書いたように(リンク)、ID運動の内部・外部を問わず、多くの研究者によるID支持のピアレビュー論文がかなりの量 に達しているにもかかわらず、IDに関するウィキペディア記事は、「インテリジェント・デザイン運動は、きちんとピアレビューを受けた論文を科学誌に1つも発表していない」と、笑うべき虚偽の事実を書き、6年前のキッツミラー対ドーバー裁判の裁定を脚注に載せている。

ある南アフリカの読者が、我々ENV宛ての手紙で、即刻ウィキの記事を修正しておいたから見てくれという報告をしてこられた。有難いことではある。しかし私は、これはおそらく無駄 骨になるでしょうと言ってやりたかった。

さまざまなダーウィン派の人気サイトを見ている人なら誰でも知っているように、ダーウィニズムというのは一つのイデオロギー運動であって、これはおそらく、家族や仕事への責任にいっさい縛られることなく、昼も夜もインターネット上での(普通 は匿名の)小競り合いに掛かりきりの、多くの信者がいるものと思われる。ウィキの記事を編集しようと、この南アフリカの友人は、我々の最新のID支持科学文献リスト(リンク)にある50点以上のピアレビュー論文を参照するように、文言を入れた。果 たせるかな、30分もたたないうちに、誰かが彼の追加記事を消去し、再び、次のような虚偽の恥ずべき文言を代わりに載せていた――

ディスカヴァリー研究所は、多くのインテリジェント・デザイン論文がピアレビューのある学術誌に発表されていると主張している。・・・その多くが科学者共同体の構成員である批判者たちは、この主張を退け、いかなる既成の科学誌もインテリジェント・デザイン論文を発表したことはないと言っている。実際は、インテリジェント・デザイン唱道者たちが、公正と厳密さを欠いた、もっぱらID支持者からなる、彼ら専用のピアレビュー付きの雑誌を作っているにすぎない。

これは途方もないことで、誰でも論文リストを見た人なら、そう正直に認めるだろう。我々の南アフリカの友人は、ウィキペディアの編集者と数回の攻防を試みたが、私が最後に確認したところでは、結局不成功に終わっている。彼らは彼の書き入れを、消去あるいは修正編集し続けている。IDについての主要ウィキ記事(リンク)は、いまだに、「インテリジェント・デザイン運動はきちんとピアレビューされた論文を1つも科学誌に発表していない」と虚偽の報告をしている。

我々の友人は絶望してこう提案している――

ウィキペディアに、ある程度のバランスを持たせる唯一の方法は、[ディスカヴァリー研究所が]フルタイムで記載内容を監視し修正する人たちを、指名するしかないのではないかと思います。・・・一般 人の知識源としてのウィキペディアの重要性を考えれば、それだけの資金を投じてもよいのではないでしょうか?

よいご提案だが、これは全く非現実的である。もちろんウィキペディアの文化的重要性は、この人の言われる通 りだ。多くの高校生、大学生、興味をもつ大人たちがこの記事を頼りにし、ジョーンズ裁判官とともに誤った判断をするだろう。6年前のこの裁判官のACLUからの敷き写 しに、明らかにウィキの記事――IDはまともな科学的背景を全く持たないという――は依存している。

これは残念だが、同時にここから真実が見えてくる。私が先日American Spectator(リンク)に書いたように、ダーウィニストや他のリベラル派は、大多数のアメリカ人が、ダーウィニズムとか政治的に公正な気象科学を疑うことによって、「科学を否定する」ようになると言い、これを社会学的・医学的に説明しようとする。これは、彼らがウィキペディアで自分たちの教義を護ることによって、ダーウィニズムが、明らかに仕事のない、社会的に孤立した帰依者の、大きな集団を取り込むことができるという事情を物語っている。

インテリジェント・デザインはそれができない。もし私が十分な経験に基づいて見積もるように言われれば、IDは社会学的には、他者との、つまり仕事や家族や友人との関係、要するに現実との絆をもつ人々の方向に、遥かに大きく傾いていると言うだろう。我々は単に仮想現実的にインターネットの上だけで生きているのではない。したがってダーウィンへの懐疑が、全体としてアメリカ文化の多数意見を占めるとしても、我々は、仕事のない孤立した人々に囲まれて、四六時中ウィキペディアの虚偽を見張るために、必要な人力を確保することはできない。我々にはそんな時間がない。我々は他にやるべきことがあるのだ。

これは確かに難題である。しかし信仰の社会学が何かを語るとしたら――信仰者から何らかの思想が明らかになるとすれば――それは進化論争の我々の側に有利であること、長期的希望の十分な理由があることを物語る。

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