査読と公的編集にかけられたID理論を支持する出版物(注釈付き)
ディスカバリー・インスティチュート作成(2005.12.1)

[注目された論文]

スティーヴン・マイヤー(Stephen Meyer)『生物学的情報と高次の分類学上のカテゴリーの起源』、Proceedings of the Biological Society of Washington 117(2004):213-239

マイヤーは競合する唯物的モデル(ネオ・ダーウィニズム、自己組織化モデル、断続平衡説、構造主義)はカンブリア大爆発に現れた新しい動物を作り上げるのに必要な情報の起源を説明するのに十分ではないと主張する。彼はID理論を、生物学的情報と高次の分類学的枠組みの起源を説明する代替案として提案している。

W・E・レーニッヒ(W.E.Loennig)『動的ゲノム、形態学的停滞、そして還元不可能な複雑性の起源』、Dynamical Genetics, pp.101-119

生物学は数多くの不変性を発見した ー それらは生物の世界において時間が経過しても変わらない側面 である。35億年のあいだ変わらずに維持されている基本的な遺伝のプロセスや10億年以上にわたって変わらない動物の発生に伴う分子機構などがそれである。しかしこのような不変性を動的なゲノムの振る舞いに合致させることは、従来の進化論の観点では困難である。実際Ernst Mayrは、これを生物学において未解決の大問題として指摘している。この論文の中でマックス・プランク研究所の分子植物遺伝学分野のシニア研究員のウォルフ・エッカード・レーニッヒ博士は還元不可能な複雑性(マイケル・ビーヒーの概念)と特定的複雑性(ウィリアム・デムスキーの概念)の概念を採用し、IDの仮説によってそれらを説明している。

ジョナサン・ウェルズ(Jonathan Wells)『中心子は細胞極の排出力を生じさせるか?』、Rivista di Biologia/Biology Forum 98 (2005): 37-62

多くの動物細胞には中心子と呼ばれる微小なタービン状の器官がペアをなして存在し、それらはちょうどお互いの方に向いた角度になっており、細胞分裂のたびに同じように複製される。いまだに中心子の機能と振る舞いは謎のままである。すべての中心子は同じような程度の複雑性を持っているため、系統発生を構成するのにふさわしい進化上の中間物は存在しない。また中心子はDNAを含んでいないためDNAこそが生命の秘密をつかさどると考えているネオダーウィニストの生物学者からはほとんど注目されてこなかった。IDの観点からすれば中心子に進化上の中間物が存在しないのはそれが還元不能の複雑性を持っているためである。そして中心子がDNAを持たないのはそれらが生物学的情報をネオダーウィニストが頼りにしている遺伝子の突然変異から独立した別 の形で運んでいるからである。この論文の中でウェルズは中心子がその見かけ通 りに微小なタービンとして機能するようにデザインされており、ダーウィン進化論のように偶然の副産物として生み出されてきたものではないことを仮定している。また彼は中心子の機能と振る舞いに関して、実験により検証可能な仮説を組み立てており、それは我々が細胞分裂や癌について理解するに当たって重要な示唆を与えるものになっている。ウェルズはこのようにして生物学におけるID理論の発見的手法としての価値を示すひとつのケースを生み出した。すなわち彼はID理論を生物学において新しい発見を生み出すために使用したのである。

スコット・ミニッチ(Scott Minnich)とスティーヴン・マイヤー、『協調する鞭毛と3型調節回路の遺伝的分析』、Proceedings of the Second International Conference on Design & Nature, Rhodes Greece, edited by M.W. Collins and C.A. Brebbia (WIT Press, 2004)

この論文はこの公的に編集された学会報に掲載される前に、会議でのピア・レビューの過程を経ている。ミニッチとマイヤーはこの論文の中で三つの重要な仕事をしている。第一に、彼らはマイケル・ビーヒーの細菌の鞭毛に関する還元不能の複雑性の議論に対する一般 的な反論について論駁している。第二に彼らはある種の細菌に見られる3型分泌システムが細菌の鞭毛の進化上の中間物ではなく、むしろ細菌の鞭毛の退化した形であることを示唆している。最後に彼らはIDがネオダーウィニズムのメカニズムよりも細菌の鞭毛の起源を説明するのに明らかに優れている事を主張している。

[商業出版社または大学出版社から出版された査読された書籍]

W. A. Dembski, The Design Inference: Eliminating Chance through Small Probabilities(W. A. デムスキー『デザインの推定:微小な確率による偶然の排除』)Cambridge University Press, 1998.

この著作はケンブリッジ大学出版局から出版され、著名なモノグラフシリーズ『確率・帰納・意思決定に関するケンブリッジ研究』の一部として査読されている。このシリーズの編集委員の中には国立科学アカデミーのメンバーやノーベル賞受賞者ジョン・ハーサニー(John Harsanyi)がいる。ハーサニーは1994年に映画『ビューティフル・マインド』の主人公ジョン・ナッシュとともに受賞した。著名な物理学者でありサイエンスライターでもあるポール・デービスは『デザインの推定』のなかのアイデアに関して以下のようなコメントを寄せている。「デムスキーがデザインを定量 化し、あるいは数学的に定義しようとする試みは非常に有用である。私は隠されたもくろみを疑われることによって、このような仕事が正当に評価されないことを心配している。」このコメントはL.ウィサム(L.Witham)の『デザインによって』(San Francisco: Encounter Books, 2003), p. 149に引用されている。

Michael Behe, Darwin's Black Box: The Biochemical Challenge to Evolution(マイケル・ビーヒー『ダーウィンのブラックボックス:進化論に対する生化学からの反論』)Free Press, 1996.

この著書の中でビーヒーは、自然選択のメカニズムに対する批判と「還元不能の複雑性を持った分子機械」と細胞内の回路の存在に基づくID理論を支持する立場を示している。この著作はフリープレスという商業出版社から出版されたものであったが、標準的な科学論文と同様に数人の著名な生化学者や生物学者に査読を経ている。

Charles B. Thaxton, Walter L. Bradley, Roger L. Olsen, The Mystery of Life's Origin: Reasseissing Current Theories(サックストン、ブラッドレー、オルセン『生命の起源の謎:現行理論の再評価』)Philosophical Library, 1984, Lewis & Stanley 4th ed., 1992.

この著書の中でサクストン・ブラッドレー・オルセンらは、生命起源の研究のその後の発展のきっかけとなる批判を展開し、情報内容と生命体の「低配位 エントロピー」に基づいてIDを支持する立場を発展させている。

John Angus Campbell & Stephen C. Meyer, Darwinism, Design, & Public Education(キャンベル&マイヤー『ダーウィニズム、デザイン、および公的教育』)Michigan State University Press, 2003.

これはID理論に関する科学的および教育的議論を扱った学際的なエッセイ集である。したがって科学哲学者、科学の修辞学者、アイビーリーグの大学の生物科学の教授らによって査読されている。IDの立場を押し進める5本の科学論文が収録されている。

[著名な商業出版社から出版されたID理論を支持する書籍]

Guillermo Gonzalez and Jay W. Richards, The Privileged Planet: How Our Place in the Cosmos is Designed for Discovery (ギエルモ・ゴンザレス、ジェイ・W・リチャーズ『特権的惑星;我々の場所が宇宙の中で発見のために如何にデザインされているか』)Regnery Publishing, 2004.

ゴンザレスとリチャーズは天文学と惑星科学の発展に基づいて、新しいID理論擁護を展開している。彼らは、居住可能な惑星を作り出すのに必要な条件が整うのが極度に稀であり、いかに確率が低いかを論じている。それに加えて、これらの特徴を持った我々の知る唯一のこの惑星は、科学的探査に適した特徴を備えた唯一のものでもあることを示す。このことにより、地球がただ単に生命にとって必要な状況を幸運にも備えているだけではなく、科学的発見のためにここだけがデザインされているように見えることをも示唆している。

William Dembski, No Free Lunch: Why Specified Complexity Cannot be Purchased without Intelligence (ウィリアム・デムスキー『ただの昼食はない;なぜ特異的な複雑性がインテリジェンスなしに獲得できないか』)Rowman & Littlefield Publishers, 2002.

デムスキーは前著(『デザインの推定』)に対する批判に答える形で彼の科学的なデザイン検出法を洗練させ、彼の検出法をマイケル・ビーヒーの『ダーウィンのブラックボックス』の中で分析されていた分子機械の類いに適用する方法を示している。

Michael Denton, Evolution: A Theory in Crisis (マイケル・デントン『進化論;窮地におかれた理論』)Adler & Adler, 1985.

オーストラリアの分子生物学者であるデントンはネオダーウィニズムによる進化論に対して包括的な批判を提供している。『分子の迷路』と題された最後から二番目の章では、分子生物システムの統合された複雑性に基づいて、デザイン仮説を強力に支持する議論を展開している。宗教的には不可知論者である科学者としてデントンは、デザインを支持するこの議論はあくまでも科学的な根拠に基づき、科学における標準的な推論形式を適用した結果 であることを強調している。デントンが説明するように、デザインを支持する議論が宗教的な示唆を与えるとしても、「宗教的な前提には基づいていない」のである。

[査読を経た科学雑誌に掲載されたIDを支持する論文]

S.C. Meyer, "The Origin of Biological Information and the Higher Taxonomic Categories," (S.C.マイヤー『生物学的情報の起源と高次の分類学上のカテゴリー』)Proceedings of the Biological Society of Washington, 117(2) (2004): 213-239.

この論文はカンブリア期の動物相の起源の説明として、ID理論を用いるべきことを論じている。当然予想されていたことだが、これが発表されたとき、科学界では国際的な大嵐が起こった(Klinghoffer, The Branding of a Heretic, WALL STREET JOURNAL, Jan. 28, 2005,およびこの論文の査読の過程を調べた編集者によるウェブサイトhttp://www.rsternberg.net.を参照)。マイヤーの論文を査読に出した編集者が受けた処遇は、IDの提唱者がその主張を明確に擁護する論文を発表する時に遭遇する社会的障害を、際立った形で例証するものである。

M.J. Behe and D.W. Snoke, "Simulating Evolution by Gene Duplication of Protein Features That Require Multiple Amino Acid Residues," (M.J.ビーヒー、D.W.スノーク『複数のアミノ酸残基を必要とするタンパク質の特徴に関する遺伝子の複製による進化のシュミレーション』)Protein Science, 13 (2004): 2651-2664.

この論文の中でビーヒーとスノークは、現存するタンパク質の構造が無目的の進化のプロセスによって形成され、さらに新しいタンパク質が元々あったタンパク質の機能に合致する形で結合面 も一致するように追加されることがどれほど困難なことであるかを示している。無目的な進化のプロセスに内在する限界を提示することによって、この仕事はIDに間接的な科学的支持を与え、幾つかの批判に答えて、ビーヒーのID弁護に加勢するものとなっている。

W.-E. Lonnig & H. Saedler, "Chromosome Rearrangements and Transposable Elements," (W.E.レーニッヒ、H.サードラー『染色体の再配列と置換可能な要素』)Annual Review of Genetics, 36 (2002): 389-410.

この論文は新しい種が突然に出現する際のトランスポゾン(※)の役割と、生物学的な多様性と新種の形成が部分的にはあらかじめ決定されていた可能性について調べている。著者らのアプローチはダーウィニズムに基づいておらず、デザイン論者のマイケル・ビーヒーやウィリアム・デムスキーらの仕事を好んで引用している。
(※訳者注;トランスポゾン = 動く遺伝子。その情報量 は全ゲノムのおよそ10%を占めると言われ、生物進化の大きな原動力と言われている。)

D.K.Y. Chiu & T.H. Lui, "Integrated Use of Multiple Interdependent Patterns for Biomolecular Sequence Analysis," (D.K.Y.チウ、T.H.ルイ『分子生物学的配列分析における多重相互依存的パターンの統合的利用』)International Journal of Fuzzy Systems, 4(3) (September 2002): 766-775.

この論文の最初の段落は以下のように書かれている:――「複雑で特定性をもつ情報の発見という方法(訳者注――IDの方法)が、観察されたパターンの背後にある未知の原因を推論するのに用いられている。複雑な情報とは、観測されたパターンから得られる情報、あるいはランダムな偶然だけでは発生する確率が極めて低いパターンのことである。ここで我々が検査しようとするのは、最初の仮説または無仮説からはとうてい出てこないような、観察された統計的な多重の相互依存性に通 ずる複雑なパターンである。そのような多重の相互依存的パターンが常に観察されることは、背後に共通 の原因があることを強力に示唆している。すなわち、有意な多重相互依存的パターンが一貫して見いだされることは、新しいあるいは隠れた知識の発見へと我々を導くことになる。」

M.J. Denton & J.C. Marshall, "The Laws of Form Revisited," (M.J.デントン、J.C.マーシャル『形態の法則を見直す』)Nature, 410 (22 March 2001): 417.I.

M.J. Denton, J.C. Marshall & M. Legge, (2002) "The Protein Folds as Platonic Forms: New Support for the pre-Darwinian Conception of Evolution by Natural Law," (M.J.デントン、J.C.マーシャル、M.レッジ『タンパク質はプラトン的形態に折り畳まれる;進化に関するダーウィン以前の概念への自然法則による新しい支持』)Journal of Theoretical Biology 219 (2002): 325-342.

この研究は完全にダーウィニズムとは異なったものであり、目的論的な考え方に基づいている。自然界には生物学的構造をもたらす形態の法則(訳者注――プラトン的「イデア」)が埋め込まれていると見ている。IDの研究プログラムは幅広く、このような法則が自然界の中にプログラムされているという考え方はIDの領域に含まれるものである。

[査読された科学選集の中のID理論を支持する論文]

Loennig, W.-E. Dynamic genomes, morphological stasis and the origin of irreducible complexity(W-Eレーニッヒ、『ダイナミック・ゲノム:形態学的停滞と還元不能な複雑性の起源』)Dynamical Genetics, Pp. 101-119. by V. Parisi, V. de Fonzo & F. Aluffi-Pentini, eds.,(Research Signpost, 2004)

生物学においては様々な不変的要素が示されている――すなわち生物の世界において時間が経過しても変わらない側面 である。それには35億年以上変わらなかった基本的な遺伝的プロセスや10億年以上変わらなかった動物の発生学上の分子機構等が含まれる。しかしそのような不変的要素は、典型的な進化論の観点ではダイナミックなゲノムのあり方と合致させることは困難である。実際、Ernst Mayrはこの点を生物学において未解決な大問題として言及している。Dr.Wolf-Ekkehard Loennigはマックス−プランク研究所の植物改良研究の上級研究員であるが、この論文の中で(マイケル・ビーヒーによって展開された)還元不能の複雑性や(ウィリアム・デムスキーによって展開された)特定的複雑性といったIDの概念を利用してこれらの不変的要素を解明し、ID仮説の見地からそれらを説明している。

Darwinism, Design, & Public Education(『ダーウィニズム、デザイン、そして公的教育』),edited by John Angus Campbell and Stephen C. Meyer (Michigan State University Press, 2003)の中の5つの論文:――

1) Meyer, S. C. DNA and the origin of life: Information, specification and explanation(S・C・マイヤー、『DNAと生命の起源:情報・特定化・説明』), Pp. 223-285.

マイヤーは、競争相手の各種化学進化論モデルよりもIDの方が、DNA, RNA,タンパク質等の大きい生体分子によって表現されている情報の起源について、より良い説明を提供できると主張している。マイヤーは、DNAに適用される「情報」という用語は、確率の低さすなわち複雑さのみならず、機能の特定化をも含蓄していることを示す。次に彼は、純粋な物理化学的な前提から出発して偶然や必要性あるいはその二つの組み合わせでは、情報の起源を説明できないことを主張している。そうではなく、自然の実在物と知的な作用による原因的な力に関する我々の知識は、IDが、一番初めに細胞を作り出すのに必要な情報の起源について最もよく説明することを示唆していると彼は言う。

2) Behe, M. J., Design in the details: The origin of biomolecular machines. (M・J・ビーヒー、『ディテールにおけるデザイン:生体分子機械の起源』)Pp. 287-302

ビーヒーは「還元不能の複雑性」という観念によって、現在のIDの議論の中心的な概念を提起している。ビーヒーは彼の専門領域(生化学)の現象には、複雑で、相互依存的で、調整されたシステムやメカニズムが認められると主張する。そのような複雑な関係性は、ネオダーウィニズムのような無目的な観点の、ランダムな変動に基づく自然選択の力が原因となって生じるものとは考えられない。しかしそのような還元不能の複雑性は、一般 に知的存在によってデザインされたと知られるシステムの特徴であるとビーヒーは主張する。したがって彼は、細胞の分子機械における還元不能の複雑性の存在について、IDの方がよりよく説明するものであると結論付ける。

3)Nelson, P. & J. Wells, Homology in biology: Problem for naturalistic science and prospect for intelligent design (P・ネルソン、J・ウェルズ『生物学における相同:自然主義的科学の問題点とIDへの期待』), Pp. 303-322.

ポール・ネルソンとジョナサン・ウェルズは、異なった種における構造的な同一な部分を見いだす相同性の現象を再吟味している。それは例えば、人間の手や鳥の翼やアザラシのひれ等が5つの指の形を基本としているような現象のことであるが、ダーウィンはこのような現象の上に彼の理論の全体を構築しようとした。ネルソンとウェルズは、自然選択が相同性に関する幾つかの事実を説明するとしても、重要な例外(多くの分子配列の相同性の現象など)は説明されないままになっていることを強く主張している。彼らは、ネオダーウィニズムの主唱者達が引き合いに出すメカニズムよりもIDの方が相同性の起源をよりよく説明するとしている。

4) Meyer, S. C, Ross, M, Nelson, P. & P. Chien, The Cambrian explosion: biology's big bang (S・C・マイヤー、M・ロス、P・ネルソン、P・チェン『カンブリア爆発:生物学におけるビッグバン』), Pp. 323-402

マイヤー、ロス、ネルソン、チェンは、カンブリア紀の化石の出現のパターンはネオダーウィニスト(そして断続的進化論者)の予測や期待とは相容れないものであることを示している。彼らは、化石による記録が以下のような幾つかの特徴を示していると主張する。すなわち、階層的なトップダウンの現れ方、異なった身体設計が形態学的にそれぞれ孤立していること、情報的内容が非連続的に増加していること、等である。これらは人類の技術の歴史において認められるパターンを強く思い起こさせるものである。このようにして彼らは、カンブリア爆発の新種の動物の出現の起源について、IDの方がより良く説明でき、原因論的にも説得力あるものであると結論している。

5) Dembski, W. A., Reinstating design within science (W・A・デムスキー『IDを再び科学の座につかせる』), Pp. 403-418.

デムスキーは、情報科学の発達により、時間的に先立つ知的エージェントの働きを検出する理論的根拠が提供されたと主張する。我々が普段、デザインを推定する時に用いる常識的な観察から出発し、デムスキーは我々が、明確な判断基準に則ってそのように行っている事を示している。更に彼は、複雑性と特定化という判断基準が知的原因作用の関与を如何に信頼に足る形で指し示すかを明らかにする。また偶然・物理化学的必然・知的存在によるデザイン、という三つの説明の中から我々が判断する際の方法論を、合理的に再構成している。客観的な判断基準によってデザインを検出できるということに基づいて、彼は知的存在によるデザインという推論の科学的正当性をも主張している。

(ディスカバリー・インスティチュートの作成したこの記事には続きがあります。追って翻訳して掲載する予定です)

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